フィラリア症とは蚊が媒介する犬の感染症で、
蚊に刺されることにより感染します。
フィラリア(犬糸状虫、犬心臓糸状虫)という寄生虫が犬の心臓や肺動脈などに寄生して起こる病気です。犬の体内で成長したフィラリアにより血液の流れが悪くなり、心臓や 肝臓、腎臓などに様々な障害が現れるようになります。放置すれば死に至ることもある恐ろしい病気です。
犬の病気と油断しないで!
犬の心臓の寄生虫として知られていますが、猫にも感染する恐ろしい病気。食欲不振や呼吸困難を起こし、急死することもあります。
 フィラリア症の感染経路は「蚊」です。室内飼育だからといって油断しないで必ず予防をしましょう。
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フィラリア症 |
フィラリアは成虫になると12~30センチにもなるそうめん状の細長い寄生虫で、動物の血液を養分にして、主に心臓や肺動脈に寄生します。フィラリアの仔虫は感染している動物の体内で生まれ、体中に漂っています。それを蚊が吸うと蚊の中で成長し、さらにその蚊が動物を刺すと動物の体内に入ります。皮下筋肉内から血管に侵入し、成長を続けながら心臓や肺動脈へ向かいます。 |
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- フィラリア症の症状について教えて下さい。
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- 一般的には犬や猫の心臓や肺動脈などに寄生しますが、蚊の媒介によって人にも感染する可能性もあります。
ただし、体内に入ってもほとんどが皮膚でブロックされて死滅しますが、ごくまれに幼虫が人の体内で成長し、肺や皮下組織に侵入して肺ガンが疑われる肉芽腫を形成することも あります。
- フィラリア症にかかったらどんな症状が現れますか?
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- 症状は、フィラリアの数、感染してからの時間、寄生部位、動物の体格などによって異なります。
フィラリア症特有の初期症状といったものはなく、軽い咳や息切れ、食欲減退、元気がない、毛づやが悪いなどがみられる程度です。
次第に運動するのを嫌がるようになる、あるいは疲れやすくなる場合もあります。
- 症状が進むと咳がひどくなったり、脳貧血を起こしたりして、さらに進行すると腹水が溜まってお腹が膨らんできたり、茶色や赤みを帯びた尿や浮腫などがみられるようになることもあります。
このような症状になると生死にも関わってくるので早急な治療が必要です。
- フィラリア症は治りますか?
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- フィラリアの感染幼虫が皮下や筋肉にたまっている段階で、フィラリア予防薬を飲むとほとんど駆除できます。しかし、フィラリアが血管に侵入して移動を始めると予防薬ではもはや効果はありません。
治療は症状や感染段階に合わせて行います。
- 咳を軽減するための炎症をおさえる薬、血管拡張剤など心臓を保護する薬、また、腹水がある場合は利尿剤などを使います。
肝臓や腎臓に症状が現れた場合は強肝剤や賢不全の治療も必要になります。
薬で成虫を駆除すると、数が少ないときは肺動脈の血液の中で少しづつ溶けて消滅しますが、多い場合は死んだ虫の死骸が肺動脈に詰まり危険です。
- フィラリア予防薬の投与は1年中続けなければいけませんか?
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- 予防薬を投与すべき期間は、動物の住む環境やその年の気候によって差があります。獣医師と相談し、蚊が出てくる頃に開始し、蚊を見かけなくなってからも1~2ヶ月継続して与える必要があります。
もう寒くなったから蚊は出ないと油断して投与を止めるのは危険。室内には夏の蚊が越冬していることもあります。
- 子犬の場合、フィラリア予防薬はいつから始めたらいいですか?
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- 一般的には生後8~10週齢から投与を開始しますが、かかりつけの獣医師とよく相談することが大切です。