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獣医師コラム
猫にも高血圧があるって知っていますか?目の異変や病気と関係する“見えないリスク”
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
「最近なんだか元気がない気がするけれど、年齢のせいかも…」そんなふうに見過ごされがちな猫の不調のなかに、高血圧という“見えないリスク”が潜んでいることがあります。
猫の高血圧は特にシニア期に多くみられますが、症状がはっきりと現れにくいため、発見が遅れやすいのが特徴です。放っておくと、目や脳、腎臓、心臓といった臓器に影響を及ぼす可能性もあります。
当院では、こうした見えにくい病気の早期発見のために、7月からの「猫キャンペーン」のなかで、血圧測定を含めた健康チェックを実施しています。
今回は、猫の高血圧について知っておきたい基礎知識と、日常生活で気をつけたいポイント、そして動物病院でできることをわかりやすくお伝えします。
■目次
1.猫の高血圧とは?|続発性と特発性
2.急に目が見えなくなる?|高血圧が引き起こす怖い症状
3.こんなときは注意|高血圧が疑われるサイン
4.病院で行う血圧測定とは?|猫に負担をかけない工夫
5.高血圧と診断されたら|治療と暮らしの工夫
6.まとめ|7月の猫キャンペーンで“見えないリスク”をチェック
猫の高血圧とは?|続発性と特発性
高血圧とは、血管にかかる圧力が慢性的に高くなっている状態を指します。人間では生活習慣病としてよく知られていますが、実は猫にも同じような状態が起こり得ます。
とくに猫では、高血圧の原因に応じて、次の2つのタイプに分類されます。
〈続発性高血圧〉
猫の高血圧の大半は、ほかの病気が引き金となって起こる「続発性高血圧」です。これは、慢性腎臓病・甲状腺機能亢進症・心疾患などの持病によって、血圧の調整機能が乱れ、慢性的に高くなるものです。
これらの病気はシニア期の猫に多く、飼い主様が気づかないうちに進行していることも珍しくありません。高血圧はこうした基礎疾患の“サイン”として現れることもあります。
〈特発性高血圧〉
一方で、明らかな基礎疾患が見つからないのに高血圧を起こすケースもあります。これが「特発性高血圧」で、高齢の猫に単独で起こることがあると考えられています。
どちらのタイプも、血圧が高い状態が続くと全身の臓器にダメージを与える恐れがあるため、早めの発見と対処が重要です。
急に目が見えなくなる?|高血圧が引き起こす怖い症状
猫の高血圧は静かに進行する病気ですが、ある日突然、「目が見えてないかも?」という深刻な症状で気づくこともあります。
その原因のひとつが、高血圧による網膜剥離(もうまくはくり)です。血圧が高い状態が続くと、目の奥にある網膜という組織がダメージを受け、剥がれてしまうことがあります。これにより、急激に視力が低下したり、完全に見えなくなってしまったりすることがあります。
次のような症状が見られた場合、できるだけ早く病院での診察をおすすめします。
・急に物にぶつかるようになった
・瞳孔が開いたまま縮まらない
・高い場所から降りるのをためらう
・名前を呼んでも目線が合わない
こんなときは注意|高血圧が疑われるサイン
猫の高血圧は、目の症状だけでなく、日常のちょっとした変化にも表れることがあります。
ただし、それらは「これ」と決めつけられるようなはっきりとした症状ではなく、「なんとなく元気がない」「いつもと少し違うかも」といった、微妙な違和感として現れるのが特徴です。
たとえば、以下のような様子が見られることがあります。
・食欲が安定しない
・よく寝るようになった
・落ち着きがなくなる
・抱っこや触れ合いを嫌がるようになった
こうした変化を「年のせいかな」と見過ごしてしまうこともありますが、実はその背景には高血圧や別の病気が潜んでいるケースもあります。
そのため、元気に見えるときでも、定期的な健康診断で血圧をチェックすることがとても大切です。
病院で行う血圧測定とは?|猫に負担をかけない工夫
猫の血圧は、動物専用の医療機器を使って安全かつ正確に測定することが可能です。
具体的には、尾や前脚などに専用のカフ(空気で膨らむベルト)を巻き、血圧測定を行います。
ただし、猫はとても繊細な動物で、環境の変化や緊張によって血圧が一時的に高くなることがあります。そのため当院では、静かで落ち着いた環境を整えたうえで、複数回の測定を行い、その平均値をもとに血圧を評価しています。
初めての子にもやさしく丁寧に対応いたしますので、不安なことがあればいつでもご相談ください。
高血圧と診断されたら|治療と暮らしの工夫
もし高血圧と診断された場合は、まずその原因となっている基礎疾患がないかを確認し、必要に応じて治療を行います。
血圧自体のコントロールには、内服薬を用いるのが一般的です。また、血圧に影響を与える生活環境を整えることも、症状の安定につながります。
たとえば以下のような工夫が挙げられます。
・食事の見直し(腎臓に配慮したフードや減塩タイプへの切り替え)
・ストレスを感じにくい住環境の整備
・定期的な血圧測定、血液検査、超音波検査によるモニタリング
これらを意識することで、良好な状態を維持し、悪化のリスクを抑えることができます。
まとめ|7月の猫キャンペーンで“見えないリスク”をチェック
猫の高血圧は、目立った症状がないまま進行しやすい病気です。しかし、早期に気づいて対処できれば、目や腎臓、心臓といった臓器へのダメージを未然に防ぐことができます。
こうした“見えにくい病気”を早く見つけるために、倉敷動物愛護病院では、7月からの「猫キャンペーン」の一環として、血圧測定を含めた健康チェックを実施しています。
「まだ元気そうだけど、年齢的に少し気になる」「ちょっと気になる変化がある」そんな思いがある方は、ぜひこの機会にご相談ください。
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
ペットと飼い主様にとって最善の診療を行うことを心がけております。
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