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獣医師コラム
犬や猫の麻酔にリスクってあるの?|術前検査と安全管理の重要性
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
愛犬や愛猫に麻酔をかけるのが不安と感じる飼い主様は少なくありません。
「麻酔」という言葉は、どうしてもリスクや副作用といったネガティブなイメージを伴いがちです。
そのため、手術や検査を前に「本当に麻酔が必要なのか?」「麻酔で命に関わることはないのか?」といった疑問や不安を抱くこともあると思います。
しかし、近年の獣医療では麻酔の技術や管理体制が大きく進歩しています。適切な麻酔管理を行うことで、極めて安全に治療を進めることが可能です。
今回は、麻酔に関するよくある誤解を解きながら、安心して治療に臨むための情報を分かりやすく解説します。
■目次
1.麻酔の必要性と麻酔が必要となる場面
2.麻酔リスクと安全管理
3.リスクを回避するための取り組み
4.年齢による誤解と事実
5.まとめ
麻酔の必要性と麻酔が必要となる場面
麻酔は、動物の苦痛や恐怖を和らげ、治療や検査を安全にスムーズに行うために欠かせないものです。
動物は、人間のように痛みや不安を言葉で伝えることができないため、麻酔は安全で快適な治療を受けてもらうための大切な手段です。
<麻酔が必要となる場面>
麻酔は以下のような状況で使用されます。
・手術:避妊・去勢手術、腫瘍摘出などの外科手術。
・検査:CTやMRI検査、歯科処置(歯石除去)など、動物がじっとしている必要がある検査。
・治療:痛みを伴う処置や、動物が嫌がる処置(例:鼓膜付近の耳掃除、皮膚の切開など)。
これらの場面で適切に麻酔が使われることで、動物の身体的な負担だけでなく精神的なストレスも最小限に抑えることができます。
麻酔リスクと安全管理
麻酔にはリスクが伴うことは事実ですが、事前の検査や適切な管理を行うことで、そのリスクを大幅に低減することが可能です。
・高齢や基礎疾患
心臓病や腎臓病などの既往症がある場合、麻酔のリスクが高くなることがあります。
・体調不良
脱水や栄養不良など、体調が優れない場合は注意が必要です。
・アレルギー反応
麻酔薬に対するアレルギー反応は非常に稀ですが、発生する可能性があります。
<現代の獣医療での安全管理>
現在の獣医療では、麻酔管理の技術やプロセスが大きく進歩しており、リスクを最小限に抑えるための体制が整っています。
・事前検査
麻酔前に血液検査や画像診断を行い、動物の健康状態を詳しく確認します。これにより、麻酔に伴うリスクを予測し、対応策を立てることができます。
・専任スタッフによる監視
麻酔中は、心拍数や呼吸、血圧などを継続的にモニタリングする専任の獣医師や看護師がいます。
・個別対応
動物の体重や年齢、健康状態に合わせて、最適な麻酔薬や投与量を調整します。
・最新の機器
酸素供給や人工呼吸器など、万が一の事態に備えた設備が整っています。これにより、緊急時でも迅速に対応できる環境が確保されています。
これらの体制により、麻酔の安全性は飛躍的に向上しています。また、獣医師は麻酔の専門知識を活かし、リスクを十分に考慮したうえで最適な選択を行っています。
リスクを回避するための取り組み
麻酔を安全に行うためには、動物の健康状態を詳細に把握することが欠かせません。そのため、手術前には必ず術前検査が行われます。
この検査により、動物が麻酔に耐えられるかどうかを確認し、安全に治療を進めるための準備を整えます。
<術前検査で分かること>
術前検査では、以下のような重要な情報を得ることができます。
・肝臓や腎臓の機能
・心臓の状態
・貧血や感染症の有無
これらの情報は、麻酔の種類や投与量を決める際の重要な判断材料となります。
<検査で確認する重要項目>
特に注意が必要なのは、肝臓や腎臓の機能です。
肝臓は麻酔薬の代謝に関与し、異常があると薬が正常に分解されない可能性があります。
また、腎臓は麻酔薬の排出に関与し、機能が低下している場合は身体に薬が残りやすくなるため、注意が必要です。
<検査結果に基づく麻酔計画の調整>
術前検査の結果をもとに、獣医師は一匹一匹に合わせた麻酔計画を細かく調整します。
例えば、腎臓に負担をかけにくい麻酔薬を選んだり、手術中の点滴量を細かく管理したりするなど、動物の状態に応じた対応が行われます。
このように、個別に最適な対策を講じることで、麻酔に伴うリスクを大幅に減らすことが可能です。
年齢による誤解と事実
「高齢の犬や猫に麻酔をかけるのは危険」と思われることがありますが、実際には正確な術前検査と適切な麻酔管理を行えば、多くの場合安全に麻酔を行うことができます。
高齢だからといって治療をためらうのではなく、獣医師と相談しながら最適な選択をすることが大切です。
また、子犬や子猫への麻酔についても不安を感じる方がいるかもしれません。確かに未発達な体には注意が必要ですが、適切な麻酔薬の選択やモニタリング体制を整えることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。
麻酔のリスクは、年齢だけで決まるものではありません。
体重、健康状態、病歴や基礎疾患の有無など、個々の条件によってリスクは異なります。
年齢を理由に治療を諦めるのではなく、獣医師とよく相談して判断することが、愛犬や愛猫の健康を守るカギとなります。
まとめ
麻酔に対して、不安を抱える飼い主様は少なくありません。しかし、適切な準備と管理が行われることで、麻酔は安全に実施することが可能です。術前検査では肝臓や腎臓の状態など、愛犬や愛猫の健康状態を詳細に確認し、それに基づいて個々に最適な麻酔計画を立てます。
また、「高齢だから危険」「子犬や子猫への麻酔は心配」といった年齢に関する誤解も、正しい知識と個別対応によって不安を安心へと変えることができます。
当院では、飼い主様の気持ちに寄り添いながら、愛犬や愛猫にとって最善の治療を行っています。
麻酔に関する疑問や心配がありましたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
ペットと飼い主様にとって最善の診療を行うことを心がけております。
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