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犬と猫の尿検査の重要性|尿検査で分かる病気と自宅でできるチェック方法

倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。

岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。

 

犬や猫の健康状態を把握するためには、血液検査や画像診断だけでなく、尿検査も非常に重要です。

尿に含まれるさまざまな成分を調べることで、腎臓や膀胱などの異常だけでなく、全身の健康状態に関わる病気を発見することもできます。

 

今回は、犬と猫に焦点を当てて尿検査の重要性について詳しく解説します。

■目次
1.尿検査の重要性
2.犬や猫の尿検査とは?
3.犬の尿検査
4.猫の尿検査
5.尿検査で分かる主な異常
6.尿検査の採尿方法
7.家庭でできる尿の観察ポイント
8.まとめ

 

尿検査の重要性


尿検査は、愛犬や愛猫の健康状態をモニタリングできる、非常に重要な検査です。動物への負担が少なく、慣れれば尿の採取も簡単に行えます。

 

定期的に尿検査を行うことで、尿路系の疾患だけではなく、他の潜在的な健康問題も早期に見つけることが可能です。

 

犬や猫の尿検査とは?


尿検査によって、腎機能の状態泌尿器の感染症ホルモン異常など、さまざまな健康問題を検出することができます。尿検査で発見できる主な疾患は、以下の通りです。

 

・腎臓病

・尿路感染症

・尿路結石症

・糖尿病

・肝疾患

・ホルモン関連の異常

・泌尿器系の腫瘍

 

犬の尿検査


犬は、年齢に関係なく尿路感染症や尿路結石症を発症しやすく、定期的な尿検査を行うことでこれらの病気を早期に発見することができます。

 

また、若い犬では泌尿器系の先天異常が見つかることがあり、中高齢では腎機能の低下や糖尿病、腫瘍などが発見されることがあります。

 

糖尿病についてはこちらで解説しています

 

猫の尿検査


猫は膀胱や尿道などの下部尿路の問題が非常に一般的で、結石などにより尿道が閉塞し、命に関わる状態になることも珍しくありません。

このような病気は年齢を問わず発症するので、症状が出る前から定期的に検査を受けておくことが重要です。

また、中高齢の猫では腎臓病の早期発見が可能になります。

 

尿検査で分かる主な異常


犬や猫の尿検査では、以下のような異常が一般的に検出されます。

 

・尿の臭い透明度の変化

・尿のpHの変化

尿比重の変化

尿タンパクの有無

尿糖の有無

潜血反応の有無

・尿中の結晶細菌炎症細胞の有無

 

尿検査の採尿方法


自宅で尿を採取する場合、犬ではペットシーツを裏返してシートに溜まった尿を採取する方法や、排尿するタイミングを見計らって紙コップや容器で直接受け取る方法があります。

 

猫の尿を採取するには、猫砂を使用するトイレの場合は猫砂を極力少なくして、尿が猫砂に吸収されずに残るようにします。そして、尿を直接スポイトなどで採取します。

また、2段式トイレを使用している場合は下段のシーツを取り除き、尿が下の段に溜まるのを利用して採取します。

 

自宅での採尿が難しい場合、動物病院で採尿することも可能です。

 

家庭でできる尿の観察ポイント


自宅では、以下の点に注目して愛犬・愛猫の尿を観察しましょう。

 

色の変化:赤、茶、黄緑などの異常な色には注意が必要です。

量の変化:異常な多尿や少尿は病気のサインかもしれません。

・排尿の頻度の変化:頻繁な排尿や排尿困難は感染症や尿路結石症、糖尿病などが考えられます。

強い臭気や濁り:感染症などの可能性があります。

 

まとめ


尿検査は、犬と猫の健康管理において欠かせない重要な手段です。定期的な尿検査を行うことで、多くの病気を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。

 

愛犬や愛猫の健康を維持するためには尿検査の重要性を理解し、日常のケアを怠らないことが大切です。日常の観察ポイントをチェックし、異常を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

 

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