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犬と猫の腸活とは?|健康的な消化をサポートするためのポイント

倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。

岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。

 

腸活とは、腸内環境を整えることで体の健康を守るための取り組みを指します。実は腸は、食べ物の消化や栄養の吸収だけでなく、免疫機能を助けたり皮膚の健康を保ったりする重要な役割を担っています。

 

犬や猫は、お腹の調子が崩れたり皮膚のトラブルが起きたりすることが意外と多いものです。そのため、腸内環境を整えることは、愛犬や愛猫が毎日元気で健やかに過ごすために欠かせないケアといえます。

 

今回は、犬や猫のための腸活について、具体的な方法やそのメリットを詳しく解説します。

■目次
1.犬や猫の腸の働きと腸活の重要性とは?
2.腸活が必要なサインと症状
3.愛犬や愛猫のための腸活方法
4.ストレス管理も腸活の重要なポイント
5.獣医師のアドバイスを活用しましょう
6.まとめ

 

犬や猫の腸の働きと腸活の重要性とは?

腸と聞くと、「食べ物を消化・吸収する場所」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、腸には免疫細胞の多くが集まっており、体の健康を守る重要な役割を担っています。この免疫が正常に働くためには、腸内環境(腸内フローラ)を善玉菌が優勢な状態に保つことが欠かせません。

 

もし腸内環境が乱れて悪玉菌が増えてしまうと、有害物質が多く作られるようになります。この有害物質は腸から吸収されて血液を通じて全身に広がり、皮膚にも悪影響を及ぼします。そのため、腸内環境を整えることは皮膚の健康を守るためにも非常に大切です。

 

腸活を行うことで、免疫力を高めたり、皮膚アレルギーを抑えたりする効果が期待できます。日々の健康を維持し、トラブルを予防するために、愛犬や愛猫の腸内環境を整えるケアを取り入れてみてはいかがでしょうか。

  

腸活が必要なサインと症状

以下のような症状が見られる場合は、腸活が必要なサインです。

 

お腹の調子が悪い:下痢や便秘が続いている

アレルギー体質:食べ物や環境へのアレルギー反応が出やすい

肥満:体重が増えやすい、または適正体重を維持できない

皮膚トラブル:かゆみ、赤み、湿疹などが見られる

 

これらの症状は腸内環境の乱れが影響していることもあります。

また、免疫力が低下しがちな高齢の犬や猫にも腸活は効果的です。腸内環境を整えることで、日々の体調が安定しやすくなります。

 

愛犬や愛猫のための腸活方法

それでは、実際にどのように腸活を行えば良いのでしょうか?ここでは、犬や猫でも簡単に取り入れられる方法をご紹介します。

 

・食事の改善

腸内環境を整えるには、善玉菌を増やすことがポイントです。

そのため、善玉菌を多く含む発酵食品(チーズ、米麹から作られた甘酒など)や、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を多く含む食材(さつまいも、キャベツ、バナナなど)を普段の食事にプラスしてみましょう。

 

ただし、人間用の食品には塩分や糖分が多く含まれていることがあるため、与える際は注意が必要です。どの食材が適しているか迷ったときや不安な場合は獣医師に相談してみましょう。

 

・適度な運動

適度な運動は腸の蠕動運動を活発にする働きがあります。腸の動きが鈍くなると便秘や悪玉菌の増加につながりやすいため、毎日のお散歩や室内での遊びを取り入れて運動量を確保しましょう。

 

・サプリメントの活用

善玉菌を直接摂取できるサプリメントや、善玉菌を増やす成分を含むサプリメントを取り入れるのも良い方法です。愛犬や愛猫の年齢や体調に合ったものを選びましょう。

 

・腸を刺激するマッサージ

腸に優しく刺激を与えるマッサージも効果的です。手のひら全体を使い、お腹に「の」の字を描くように時計回りで優しくマッサージしてあげてください。

 

ストレス管理も腸活の重要なポイント

ストレスを感じると腸の蠕動運動が低下し、腸内フローラが乱れる原因になります。そのため、腸内環境を整えて健康な消化をサポートするには、ストレスを上手に管理することも大切です。

 

犬や猫は、以下のような状況でストレスを感じやすい傾向があります。

 

・慣れない場所への外出(旅行や病院など)

・引っ越しや家族構成の変化

・騒音(花火や雷、工事の音など)

・快適ではない温度や湿度

・運動不足

・長時間の留守番 など

 

環境の変化に不安を感じている場合は、愛犬や愛猫が静かに過ごせる落ち着いた場所を用意してあげましょう。

また、運動不足が気になる場合は、散歩や室内遊びの時間を増やして体を動かす機会を作ることが大切です。

さらに、長時間の留守番が続いている場合は、帰宅後にたっぷり撫でたり遊んだりして、コミュニケーションの時間を増やすように心がけてみてください。

 

獣医師のアドバイスを活用しましょう

お腹の調子が悪い原因が病気である場合には、獣医師による検査や治療が必要になります。そのため、定期的な健康診断を受けて病気を早期に発見することが大切です。

また、腸活が必要と思われるサインが見られた際は、一度動物病院を受診するようにしましょう。

 

さらに獣医師は病気の治療だけでなく、ダイエットや食事管理についてのアドバイスも行っています。「腸活を試しているけれど、なかなか効果を感じられない」という場合も、ぜひ遠慮せずに相談してみてください。

 

まとめ

腸活を取り入れることで腸内環境が整い、免疫力を高めたり健やかな皮膚を保ったりすることが期待できます。

 

もし腸活が必要と思われるサインが見られたら、まずは食事の見直しや運動を意識的に取り入れてみましょう。それでも改善が難しい場合や方法が分からない場合は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

 

岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
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