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獣医師コラム
ノミ・マダニ予防医療の重要性|感染症から愛犬・愛猫を守る
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
ノミやマダニは春から秋にかけての温かい季節に最も活動的になります。しかし、室内の温かい環境下では冬でも繁殖する可能性があるため、一年中注意が必要です。
外出する愛犬や愛猫だけでなく室内で生活する場合でも、飼い主様が外から帰宅時にノミやマダニを持ち込むことがありますので、室内飼いでも予防をすることが重要です。
今回は【犬と猫のノミ・マダニ予防医療の重要性】について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。
■目次
1.ノミ、マダニ予防の重要性
2.ノミ、マダニがもたらす疾患
3.予防方法
4.まとめ
ノミ、マダニ予防の重要性
ノミやマダニの予防は、愛犬や愛猫の健康を守る上で重要です。
ノミやマダニに感染すると、皮膚炎や血液疾患など様々な病気にかかるリスクが高まります。さらに、これらの寄生虫は他の動物へと感染が広がることがあり、人間にも感染し病気を引き起こす場合もあるため、飼い主様は、しっかりとノミ・マダニの予防を行うようにしましょう。
ノミやマダニに感染してしまうと駆除するまでの間、激しいかゆみに苦しみ続けることになります。これらの寄生虫は非常に小さいため、初期段階での発見が難しく、感染が進行してしまう前に適切な予防をすることが重要です。
ノミ、マダニがもたらす疾患
ノミ・マダニは動物の皮膚に寄生し、吸血することで生活しています。
ノミやマダニの感染は、以下のような疾患を引き起こす可能性があります。
・ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液によるアレルギー反応で、犬猫の皮膚に重度のかゆみや炎症を引き起こします。
・SFTS(重症熱性血小板減少症)
マダニによるウイルス感染症です。発熱や消化器症状、黄疸が現れ、血液検査では血小板の減少や肝酵素、黄疸の数値の上昇が見られます。
人にも感染し、10〜30%の確率で死に至ることもある恐ろしい疾患です。
・瓜実条虫症
消化管に寄生する寄生虫のひとつで、ノミやハジラミが媒介する寄生虫症です。多数の瓜実条虫が寄生していないと無症状ではありますが、症状があらわれると肛門周囲の痒みや体重減少、下痢、嘔吐などが見られるようになります。
また、犬猫の寝室やトイレに片節(米粒のようなもの)がたくさん落ちている場合には感染の可能性があります。
・バベシア症
マダニが媒介する原虫感染症で、赤血球内に寄生するバベシアという寄生虫により、引き起こされます。貧血や黄疸、食欲不振、脾腫などの症状が現れ、場合によっては輸血が必要になることもある病気です。
予防方法
ノミやダニの予防には、害虫を排除するための駆虫薬が最も効果的です。
多様な駆虫薬製品があり、背中に点滴するスポットオン剤、体表にスプレーする形式のスプレー剤、経口で摂取するタイプの経口薬などがあります。
これらのノミ・ダニ予防薬は通常、月に一度の投与を行うことが多いため、毎月忘れずに行いましょう。
ただし、ノミの場合は寄生したノミを駆除するだけでは不十分なことがあり、愛犬や愛猫の周囲の環境も清潔に保つ必要があります。
ノミが生活空間に存在する場合、環境清掃を通じてノミの卵や幼虫を取り除き、ノミが成長できない環境を作ることが大切です。
さらに、ノミやダニは山林だけでなく、公園や河川敷など人間が生活する範囲内にも生息しています。そのため、散歩でこのような場所を訪れる際は、事前に予防薬の使用を検討することが良いでしょう。
まとめ
ノミやダニは犬や猫にとってただ不快な存在ではなく、深刻な健康リスクをもたらす可能性があるため、飼い主様はしっかりと予防を行いましょう。
適切な予防を行うことで愛犬・愛猫を守り、安心して過ごせる環境を作り出しましょう。
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