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獣医師コラム
獣医師が解説!夜間の動物病院受診時に知っておくべきポイント
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
愛犬や愛猫の体調が突然悪くなったとき、どうすればいいのか迷った経験はありませんか? 特に夜間は、「すぐに病院へ行くべきか、それとも朝まで様子を見ても大丈夫なのか」と判断に悩むことがあるかもしれません。
夜間診療が必要になるケースを正しく理解し、いざというときに落ち着いて対応できるようにしておくことが大切です。
今回は、夜間に特に多い緊急疾患や、夜間診療を受ける際の注意点について詳しく解説します。
■目次
1.夜間診療でよく見られる救急疾患
2.夜間診療を受ける前に知っておきたいこと
3.昼間の受診をおすすめする理由
4.夜間受診時の注意点や事前準備
5.まとめ
夜間診療でよく見られる救急疾患
当院の調査によると、夜間に動物病院を受診するケースで特に多いのは、以下の5つの疾患です。いずれも緊急性が高く、すぐに対応しないと命に関わる可能性があります。
<誤食>
「気づいたら何かを食べてしまっていた」というケースは、夜間の救急受診の中でも特に多く見られます。
■危険な誤食の例
・チョコレート・タマネギ・キシリトールなど、犬や猫にとって有害な食品
・ボタン電池・針・紐状の異物など、消化管や内臓を傷つける恐れのあるもの
特にボタン電池や針などの鋭利なもの、紐状の異物は、胃や腸を傷つけたり詰まったりするリスクがあり、緊急手術が必要になることもあります。
<尿道閉塞(特に雄猫に多い)>
特に雄猫に多い病気で、尿道が結石や炎症によって詰まり、尿が出なくなる状態です。
初期のうちは排尿の回数が増えたり、トイレで踏ん張る様子が見られたりすることがありますが、進行すると尿が全く出なくなり、膀胱がパンパンに膨れてしまいます。
さらにこの状態を放置すると、腎不全や膀胱破裂といった命に関わる危険な状態になることもあります。
<肺水腫(呼吸困難を引き起こす疾患)>
心臓病を持つ犬や猫に多く見られ、肺に水が溜まることで呼吸困難を引き起こす疾患です。
この病気は症状が急激に悪化することが多く、夜間に緊急受診するケースが少なくありません。
「呼吸が荒い」「咳がひどい」「舌の色が青紫色(チアノーゼ)になっている」 などの兆候がある場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。
<てんかん発作>
てんかん発作は短時間でおさまることもあれば、何度も繰り返したり、長時間続いたりすることもあるため、夜間に受診すべきか判断が難しい疾患の一つです。
短時間の発作で意識が戻り、普段どおりに過ごせるようであれば翌日の受診でも問題ないことが多いですが、発作が5分以上続く、または短い間隔で何度も繰り返す場合は、命に関わる可能性があるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
<胃腸障害(胃腸炎・膵炎・胃拡張・胃捻転など)>
「食欲がない」「嘔吐が続く」「お腹を痛がる」といった症状を軽く考え、そのまま様子を見ていたところ、夜になって急にぐったりしてしまい、慌てて受診するケースが少なくありません。
■特に注意すべき疾患
・膵炎(特に高脂肪の食べ物を食べた後に発症しやすい)
・胃拡張・胃捻転症候群(大型犬や深胸犬種に多く、命に関わる危険な状態)
夜間診療を受ける前に知っておきたいこと
夜間でも診てもらえるという安心感がある一方で、昼間の診療とは異なる点がいくつかあります。 事前に知っておくことで、いざというときに落ち着いて判断できるようになります。
1.診療費が通常より高くなる
夜間診療は、通常の診療に比べて2〜5倍の費用がかかることが一般的です。
また、夜間は応急処置が中心となるため、後日改めて通常の診療を受ける必要があるケースも多く、最初に想定していたよりも費用がかさむ可能性があることを理解しておく必要があります。
2.診察の時間が限られる
夜間診療はあくまで応急処置がメインとなるため、通常の診療のようにじっくり相談する時間が確保できないことが多いです。
「細かい質問や日常のケアについて相談したい」「今後の治療方針を詳しく聞きたい」などのこうした内容は、改めて昼間の診療時間内に受診する必要があるため、夜間診療だけでは十分な対応ができない場合もあります。
3.夜間の管理体制には限りがある
夜間診療は入院対応が可能であっても、夜通し見守るスタッフが常駐していない場合が多いため、容態の急変にすぐ対応できないことがあります。
4.いつもの担当医ではない
夜間診療では、普段診てもらっている獣医師とは異なる先生が対応することがほとんどです。
そのため、病歴や治療歴が十分に共有されていない状態で診療が進むことがあり、細かい説明や今後の治療方針についての相談が限られる場合があります。
昼間の受診をおすすめする理由
夜間診療が必要になる前に、できるだけ昼間の診療時間内に受診することが大切です。その理由として、以下のような点が挙げられます。
1.早めに治療を始められる
昼間に受診すれば、症状が軽いうちに適切な検査や治療を受けることができます。
病気が進行する前に対処できれば、重症化を防ぎ、治療の幅が広がるため、愛犬・愛猫への負担を軽減できる可能性があります。
2.診療費の負担を抑えやすい
夜間診療は緊急対応となるため、通常よりも診療費が高くなることが一般的です。
一方、昼間であれば通常の診療費で詳しい検査や治療を受けることができるため、結果的に費用の負担を抑えられることがあります。
3.迅速な治療につながる
病気やケガの治療は、できるだけ早く対応することが大切です。
夜間に容態が急変してしまうと、受診までに時間がかかり、適切な処置が遅れることもあります。昼間のうちに受診しておけば、落ち着いた環境で診察や治療を受けることができます。
4.かかりつけ医に診てもらえる
夜間診療では、普段診てもらっている獣医師とは異なる先生が対応することがほとんどです。
一方、昼間の診療であれば、これまでの診療履歴や体質を把握しているかかりつけ医が診察を行えるため、より適切な判断や治療を受けやすくなります。
5.じっくり相談できる
夜間診療では、緊急処置が最優先となるため、十分な説明を受ける時間が限られることがあります。一方、昼間の診療であれば、治療の流れや今後のケアについてじっくり相談できるため、納得したうえで治療を進めることができます。
不安や疑問を解消しながら適切な対応ができるよう、できるだけ昼間の受診を心がけることが大切です。
夜間受診時の注意点や事前準備
夜間診療を受ける場合、事前に準備をしておくことで、落ち着いてスムーズに対応することができます。 いざというときに慌てないよう、以下のポイントを押さえておきましょう。
<事前に受診可能な病院を確認する>
夜間診療を行っている病院は限られているため、緊急時にすぐ対応できるよう、事前に情報を調べておくことが大切です。
・どの病院が夜間対応をしているか
・診療時間や受付方法
・事前に連絡が必要かどうか
これらの情報を事前に確認し、夜間対応の病院の連絡先をスマートフォンに登録しておくと安心です。
<必要な情報を整理しておく>
夜間診療では、かかりつけ医とは異なる獣医師が対応することがほとんどです。そのため、愛犬・愛猫の情報をできるだけ正確に伝えられるよう、以下の内容を整理しておきましょう。
・症状の経過(いつから、どんな症状が出ているか)
・食欲や元気の有無
・これまでの治療歴(持病の有無、過去の診断内容)
・服用している薬の種類
・アレルギーの有無
<持参するものを準備する>
夜間診療では、診察の時間が限られているため、事前に必要なものを用意しておくと、スムーズに診てもらえます。
・診察券
・過去の診療記録(血液検査結果やレントゲン画像があればベスト)
・服用中の薬
・嘔吐物や排泄物(異常がある場合)
・誤食した可能性のあるもの(パッケージなど)
特に誤食の場合、食べたものの成分がわかると適切な処置につながりやすいため、パッケージを持参するとよいでしょう。
<受診後の対応も考える>
夜間診療では応急処置が中心となるため、翌日にかかりつけ医で改めて診察を受ける必要があることが少なくありません。 そのため、診察時の内容や処置について簡単にメモを取っておくと、翌日の診察がスムーズに進みます。
受診後は、愛犬・愛猫の様子を注意深く観察し、食欲や元気に変化がないか確認しましょう。
まとめ
夜間診療は、緊急時に必要な大切な選択肢ですが、「様子を見すぎた結果、夜間に駆け込む」という状況を減らすことが、愛犬・愛猫への負担を最小限に抑えるために大切です。
夜間診療はあくまで緊急時の対応手段です。日頃の健康管理や異変に早く気づき、昼間のうちに受診することが、最も安心できる方法です。
当院では日中の診療時間内に適切な対応を行い、飼い主様が安心して愛犬・愛猫と過ごせるようにお手伝いしています。 気になる症状があれば、夜間になる前にどうぞお気軽にご相談ください。
近隣では、倉敷ペットクリニック(https://www.stemvets.com/)が夜間診療を行っています。夜間の急な体調不良で受診が必要な場合は、病院の診療時間や受診方法を事前に確認しておくと安心です。
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
ペットと飼い主様にとって最善の診療を行うことを心がけております。
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