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避妊・去勢手術を受けるのに良い年齢は生後5~8ヵ月齢頃と言われていました。現在では生後6~16週齢頃に手術を受けても影響はない事がわかっており、早期手術が望ましいです。避妊・去勢手術を受けるには遅すぎるということはありませんので、性成熟後でも 手術を受けることはできます。
皆様は避妊・去勢の手術について考えておられますか?
手術というと「かわいそう…」とか「そこまでしなくても…」とお考えの方もいらっしゃると思います。ですが、この機会に今一度、手術の必要性を考えて頂きたいと思います。獣医師として発情期に多発する猫のケンカ傷、妊娠してからの不妊手術、捨てられた子犬・子猫など、数々の現場を見て手術の必要性を実感しています。手術の一番の目的は発情の防止と望まれない子供を産ませないことです。
問題解決以外にも手術を行うことで健康面に役立つことがあるのをご存知でしょうか?
愛犬・愛猫の健康管理をするのは飼主様の皆様です。避妊・去勢手術の正しい知識と理解をもって頂きたいと思います。その他料金などの詳細につきましては当院にご相談下さい。
早期実施により攻撃性や望ましくない排尿行動(マーキング)が減少します。高齢犬に発生する雄性ホルモン関連疾患(前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニア等)の発生が抑えられます。
発情の防止だけでなく、高齢犬に発生する卵巣、子宮の病気(子宮蓄膿症など)を防ぎます。また、早期の手術により乳腺腫瘍の発生率が極めて低くなることがわかっています。
早期実施により攻撃性や望ましくない排尿行動(マーキング)が減少します。発情期に多発するケンカが起こりにくくなります。
飼主様にとってもストレスのかかる発情の防止だけでなく、早期の手術により乳腺腫瘍の発生率が極めて低くなることがわかっています。手術をしていない猫は発情期には隙を見て外に出たがり一旦交尾すると必ずといっていいほど妊娠します。またケンカや交尾行動により完治できない伝染病(猫エイズ、猫白血病)に 感染したり、交通事故など命にかかわる危険と対面しやすくなります。避妊・去勢によってこれらの不安が極めて少なくなります。
避妊・去勢手術を受けるのに良い年齢は生後5~8ヵ月齢頃と言われていました。現在では生後6~16週齢頃に手術を受けても影響はない事がわかっており、早期手術が望ましいです。避妊・去勢手術を受けるには遅すぎるということはありませんので、性成熟後でも 手術を受けることはできます。
【ワクチン接種】
ワクチンによる病気への抵抗力がつくには予防接種後1~2週間程度かかります。このため、ワクチン未接種の場合は手術を受ける2週間以上前に接種しておきましょう。
【内部寄生虫検査・駆除】
母乳から回虫などの内部寄生虫に感染してしまうことがあります。このため、一度も外へ出たことがない子でも念のために便検査をしておくと良いでしょう。内部寄生虫は下痢を起こすだけでなく、種類によっては栄養分を横取りしたり、貧血の原因となってしまうことがあり、術後の回復が遅れてしまう原因にもなります。
【雌の場合】
雌の場合は腹部周囲の毛を刈ります。開腹手術で子宮と卵巣を一般に摘出しますが、卵巣だけを摘出する場合もあります。
【雄の場合】
雄の場合は睾丸の周囲の毛を刈ります。精巣を摘出します。摘出した後に切開創を縫合します。手術終了後は麻酔が覚める(覚醒)まで監視下に置かれます。手術部位を舐めないように大きなバンソウコウを貼ります。エリザベスカラーというパラボアンテナのようなカラーを首につける場合もあります。これらの処置は舐めることで手術創に口腔内の雑菌が侵入したり、術創が開いたりしないように、また、糸を噛み切ったりしないようにするため必要なことです。
術後の状態を診る為に入院が必要なことがあります。多くは一泊二日の入院となりますが、犬・猫の状態によっても変わってきます。
バランスの取れた食事であれば、何でもかまいません。ただし、手術後は傷口を治すために体が必要とするカロリーは一時的に増加しています。抜糸までは少し多めに与えると良いでしょう。ただし、手術の影響から回復した後はカロリー計算をしっかりしていかないと太ってしまうこともありますので、ご注意ください。
飼い主様にとっても不安が大きい事だと思います。
当院では手術の流れをご覧になって、少しでも飼い主様の不安が少なくなればと思います。
飼い主さんから手術前の動物健康状態を聞き、動物の年齢や病気によって血液生化学検査・レントゲン検査・心電図検査等を行います。
全身麻酔導入時の恐怖から来る興奮をおさえ、痛みを和らげ、全身麻酔薬の投与量を少なくし、手術後の麻酔からの速やかな回復を促すため麻酔前投薬を投与します。
全身麻酔導入時の恐怖から来る興奮をおさえ、痛みを和らげ、全身麻酔薬の投与量を少なくし、手術後の麻酔からの速やかな回復を促すため麻酔前投薬を投与します。
皮膚の毛刈りの後、数種類の消毒液を使用し、手術部位を無菌状態にします。
手術中はSPO2(動脈血酸素飽和度)ETCO2(終末呼気炭酸ガス)呼吸数・心拍数・心電図等を連続的にモニターしています。近隣の獣医師と連携するなど、事故のない手術を万全の態勢で臨めるよう心掛けています。
手術の内容、患動物の経過、体調を総合的に判断し、退院日を決定します。程度により入院日数は異なります。
下記の症状が思い当たったら注意して下さい。そのまま放置すると歯周病・歯肉炎・歯槽膿漏になってしまいます。
・口が臭い
・歯がグラグラする
・歯の色が黄色〜茶色になっている
当院では超音波スケーラーにより歯石除去を行っています。短時間麻酔で痛みもなく、白く健康的な歯になります。