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獣医師コラム
愛犬・愛猫の健康チェックに血圧測定をプラス|血圧を管理するメリット
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
愛犬や愛猫の健康を守るために、体重や食事の管理には気を使っている飼い主様も多いですが、「血圧」を測ったことはありますか?
人間では血圧測定が一般的ですが、実は犬や猫にとっても血圧の管理は健康を守るうえで非常に重要です。ところが、動物病院で血圧を測定した経験がないという飼い主様も多くいらっしゃいます。
血圧異常は、初期症状が目立ちにくいため、見過ごされがちですが、高血圧や低血圧は内臓や目、神経系に深刻なダメージを与えるリスクがあります。
また、早期に発見し適切に管理することで、愛犬や愛猫の健康を長く維持することができます。
今回は、犬や猫の血圧測定の必要性や、血圧異常が引き起こす健康リスクについて解説します。
■目次
1.血圧測定が愛犬・愛猫の健康を守る理由
2.血圧異常が引き起こす病気
3.犬や猫の血圧測定方法
4.血圧管理で大切な日常のケア
5.まとめ
血圧測定が愛犬・愛猫の健康を守る理由
血圧とは、血液が動脈内を流れる際に血管壁にかかる圧力のことです。犬や猫の場合も個体差はあるものの、正常値を超えると「高血圧」、逆に下回ると「低血圧」と診断されます。
これらの血圧異常は、健康に重大な影響を与える可能性があるため、定期的な測定が推奨されます。
・高血圧
高血圧は、心臓や腎臓、目などの重要な臓器に過剰な負担をかけます。その結果、これらの臓器の機能が低下し、健康を損なうリスクが高まります。
・低血圧
低血圧は、臓器への血流が不足し、酸素や栄養が十分に届かなくなることで、臓器の機能不全を引き起こす可能性があります。
<血圧測定の必要性とメリット>
血圧異常は、症状が現れる前に発見することが大切です。症状が出たときにはすでに病状が進行していることが多く、治療が難しくなる場合もあります。定期的な血圧測定は、早期発見・早期治療のカギとなります。
特に以下の場合は、血圧測定を積極的に検討しましょう。
・高齢
年齢とともに血圧異常のリスクが高まるため、定期的なチェックが必要です。
・持病がある
腎臓病や心臓病などの持病がある場合、血圧管理が病気の進行を抑える助けになります。
・体調に変化が見られる場合
元気がない、食欲が落ちているなど、いつもと違う様子が見られたら血圧を測ることをおすすめします。
年に一度の健康診断時に血圧測定を追加することで、愛犬や愛猫の体調をより詳しく把握できます。早めの対応が、健康を守る第一歩です。
血圧異常が引き起こす病気
犬や猫の血圧異常は、以下のようなさまざまな症状や病気の原因となります。
<心臓病との関連性>
高血圧は心臓に過剰な負担をかけ、心不全や動脈硬化を引き起こす原因となります。特に小型犬や猫では、症状が進行すると咳や呼吸困難を引き起こすことがあります。
<腎臓病との関連性>
犬や猫に多い病気の一つである腎臓病も、血圧異常と密接に関係しています。腎臓は血液を濾過する重要な臓器であり、高血圧が進行を早める原因となります。
血圧の異常が長引くと、腎機能の低下につながりやすくなります。
<猫の場合の失明リスク>
猫では、高血圧が原因で目の血管が損傷し、網膜剥離を引き起こすことがあります。その結果、突然失明してしまうこともあるため注意が必要です。
目が赤く充血している、物にぶつかるなど視力が低下しているように見える場合は、できるだけ早く動物病院に相談してください。
<その他の症状や合併症>
・神経症状:低血圧が原因で脳の血流が不足し、ふらつきや発作が見られることがあります。
・倦怠感:血圧の異常が体に負担をかけ、元気がなくなったり動きが鈍くなったりすることがあります。
犬や猫の血圧測定方法
動物病院での血圧測定は、人間の方法と似ていますが、動物の体に合わせた専用の機器を使用します。
<血圧測定の流れ>
1.落ち着いた状態を確認
測定の前に、犬や猫がリラックスした状態であることを確認します。緊張すると血圧が一時的に上昇するため、安心できる環境が大切です。
2.カフの装着
血圧測定用のカフを、前足、後ろ足、または尾に装着します。部位は個体の大きさや体格に応じて選びます。
3.測定機器の使用
測定器を使い、数回血圧を測定して平均値を算出します。測定は短時間で行い、犬や猫が興奮しないよう細心の注意を払います。
<測定時の注意点>
測定時には、犬や猫がリラックスしていることが非常に重要です。飼い主様が優しく声をかけたり、そばにいて安心させることで、緊張を和らげることができます。
また、測定の正確さを確保するために、複数回の測定を行います。これにより、一時的な状態に左右されず、より信頼性の高い結果を得ることができます。
<測定頻度の目安>
血圧測定は、年1回の健康診断時に追加することで、愛犬や愛猫の体調をより詳しく把握できます。
また、高齢や持病を抱える犬や猫の場合は、1〜3か月ごとの通院時に測定を検討すると良いでしょう。
さらに、元気がない、目に異常が見られるといった症状がある場合は、早めに血圧測定を行い、適切な対応を取ることが重要です。
血圧管理で大切な日常のケア
愛犬や愛猫の血圧を適切に管理するためには、日々の生活の中での注意が欠かせません。血圧は健康全体に大きな影響を及ぼすため、細やかな配慮が必要です。
<日常生活で気をつけたいこと>
・ストレス管理
ストレスは血圧に直接影響します。できるだけ静かな環境を整え、急な環境変化を避けるように心がけましょう。たとえば、引っ越しや家族構成の変化がある場合は、愛犬や愛猫が安心できる空間を用意してあげるとよいでしょう。
・適度な運動
運動不足や肥満は血圧に悪影響を及ぼします。愛犬や愛猫の年齢や体調に合わせて、無理のない運動を取り入れるようにしましょう。
・食事管理
フード選びは血圧管理の要です。塩分や脂肪分が多いフードは避け、栄養バランスの整った食事を心がけてください。獣医師に相談し、体調や状態に合ったフードを選ぶのが安心です。
<定期検査の重要性>
血圧を適切に管理するためには、定期的な健康診断がとても重要です。高血圧や低血圧は初期段階では症状が目立たないことが多いため、早期発見がカギとなります。
特に高齢の犬や猫では、健康診断の際に血圧測定を追加することをおすすめします。
<異常を感じたときの対応方法>
愛犬や愛猫に血圧異常の兆候が見られたら、すぐに対処することが大切です。
・些細な変化にも気づく
目の充血、ふらつき、食欲不振など、小さな変化にも注意を払いましょう。日々の観察が健康を守る第一歩です。
・早めの受診
「いつもと様子が違う」と感じたら、速やかに動物病院を受診しましょう。血圧の異常が疑われる場合、早期の診断と治療が重症化を防ぐうえで重要です。
まとめ
犬や猫の血圧管理は、日々の健康を守るために欠かせない要素です。血圧異常は初期段階では気づきにくいものの、早期に発見し、適切に対応することで健康を保つことができます。
当院では、血圧測定を含めた定期的な健康チェックを通じて、愛犬・愛猫の健康を総合的にサポートしています。健康状態について気になることがある場合や、予防的な検査をご希望の場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
ペットと飼い主様にとって最善の診療を行うことを心がけております。
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