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愛犬がストレスを感じているかも?|サインと対策を獣医師が解説

倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。

岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。

 

私たち人間と同じように、犬も日々の生活の中でストレスを感じることがあります。特に、繊細な性格の犬や、環境の変化に敏感な犬は、ストレスを受けやすく、引っ越しや家族構成の変化、知らない人や音への反応など、ちょっとした出来事が負担になることも少なくありません。

 

ストレスは体だけでなく、心にも大きな負担をかけるため、早めにストレスサインを見逃さないことが大切です。

 

今回は、犬が見せるストレスのサインの見分け方や、ストレスを引き起こす主な原因、そして効果的なストレス対策について解説します。

■目次
1.ストレスの主な原因
2.見逃さないで!|ストレスサインの見分け方
3.効果的なストレス解消法とは?
4.こんなときはプロに相談!愛犬のストレスサインと受診の目安
5.まとめ

 

ストレスの主な原因


愛犬がストレスを感じているとき、その原因を特定することがとても大切です。

 

<環境の変化>

以下のようなシチュエーションでは、犬がストレスを感じやすくなります。

 

引っ越し:新しい家に慣れるまで時間が必要です。環境が変わることで、いつもの安心できる場所がなくなり、不安を感じてしまうことがあります。

 

家族構成の変化:赤ちゃんや新しいペットが家族に加わったり、逆に家族の誰かが不在になったりすると、ストレスを感じることがあります。

 

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<日常生活での要因>

普段の生活の中にも、ストレスとなることがあります。

 

長時間の留守番:飼い主様の長時間の外出が続くと、愛犬は寂しさや不安を感じやすくなります。特に、普段から甘えん坊の犬は、ひとりでいることにストレスを感じてしまうことがあります。

 

分離不安についてはこちらから

 

騒音:工事の音、雷、花火などの大きな音は、強いストレスの原因になります。

 

不規則な生活:ご飯や散歩の時間が毎日バラバラだと、犬にとって不安要素となります。

 

運動不足:十分に散歩や遊びができていないと、エネルギーが発散できず、ストレスを感じてしまいます。

 

見逃さないで!|ストレスサインの見分け方


愛犬がストレスを感じているかどうかを判断するためには、普段の行動や健康状態との違いを観察することが大切です。

ストレスのサインは、「行動の変化」「身体的な変化」「表情やボディランゲージ」の3つのポイントから見極めることができます。

 

<行動の変化>

犬がストレスを感じると、普段と違った行動を見せることがあります。

 

過度に吠える:不安や緊張から無駄吠えが増えることがあります。

落ち着きがなくなる:室内をウロウロ歩き回ったり、寝ていてもすぐに起きてしまったりすることがあります。

引きこもりがちになる:安心できる場所にこもりがちになり、飼い主様とのふれあいを避けるようになります。

 

<身体的な変化>

ストレスは行動だけでなく、身体にも影響を及ぼします。

 

食欲の変化:急にご飯を食べなくなったり、逆に過食になったりすることがあります。

排泄の乱れ:トイレの失敗が増えることや、便の状態が変わることがあります。

体の一部を舐め続ける:前足を執拗に舐める、体の一部を噛むといった行動が見られることもあります。

 

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<表情やボディランゲージ>

犬は言葉で感情を伝えることができない分、表情やしぐさで気持ちを表現しています。

 

耳の位置:緊張していると耳が後ろに下がりがちになります。

尻尾の動き:ストレスを感じると、尻尾を下げたり体の下に巻き込んだりします。

目つきの変化:白目が見えるほど目を見開く場合や、目つきが鋭くなっている場合は強い不安を感じている可能性があります。

この画像は、犬がストレスを感じたときに見せるサインを示しています。耳を倒す、尻尾を下げる、目を大きく見開くといった表情や姿勢の変化が見られ、警戒や恐怖を感じている可能性があります。

 

効果的なストレス解消法とは?


愛犬がストレスを感じたままでいると、問題行動や健康への悪影響が出ることがあります。大切な愛犬がいつも穏やかに過ごせるように、早めに適切な対策を取りましょう。

 

<環境を整える>

愛犬が安心して過ごせる環境を整えることで、ストレスを軽減することができます。

 

◆愛犬専用のスペースを確保する

犬が落ち着けるスペースを用意しましょう。クレートやベッド、ブランケットなどを使って、安心できる「自分だけの場所」を作ってあげるのがおすすめです。また、人の行き来が少ない静かな場所に置くことで、リラックスしやすくなります。

 

◆適切な温度管理をする

室内の温度を、暑すぎず寒すぎない快適な状態に保つことが大切です。特に、季節の変わり目や寒暖差のある日は、エアコンやヒーター、涼感マットや毛布などを使って温度調整をしてあげましょう。

 

◆音や光を調整する

生活音や外からの騒音をできるだけ和らげ、静かな環境を作りましょう。特に夜は、照明を暗くして、愛犬がしっかり休めるように工夫してみてください。

 

<運動とメンタル刺激を取り入れる>

犬にとって、体を動かすことや頭を使うことはストレス解消につながります。

 

◆適度な運動をする

十分な運動は、愛犬のストレスを解消するために欠かせません。毎日の散歩はもちろん、天候が悪い日には室内でボール遊びや追いかけっこをするのもおすすめです。

 

◆遊びに工夫を加える

知育玩具おやつ探しゲームなど、頭を使う遊びを取り入れるのも効果的です。たとえば、コングなどのおもちゃにおやつを詰めて、愛犬が工夫して取り出すような遊びを取り入れてみましょう。

 

◆トレーニングを続ける

基本的なしつけコマンドの練習を継続することで、飼い主様と愛犬の信頼関係が深まり、安心感を得られます。特に、成功したときにたくさん褒めてもらえることで、愛犬の自信もつき、ストレスを軽減する効果が期待できます。

 

◆スキンシップを取る

愛犬がリラックスしているときに、優しく撫でてあげたり、声をかけたりするだけでも心が安らぎます。ただし、過度に構いすぎたり、無理に抱っこしたりすると、逆にストレスを感じてしまうこともあります。犬の表情や体の動きを見ながら、心地よいスキンシップを心がけましょう。

 

こんなときはプロに相談!愛犬のストレスサインと受診の目安


日常的なストレス対策を行っていても、もし愛犬の行動や健康状態にいつもと違う変化が見られた場合は、専門家に相談することを検討してみてください。

 

過度に吠える、攻撃的になる、極端に怖がる、トイレの失敗が増えるなどの、行動の変化が見られるときはストレスが限界に達している可能性があります。

このような場合は、問題行動がエスカレートしてしまう前に、ぜひプロのドッグトレーナーに相談してみましょう。

 

また、健康上の問題との関連も見逃せません。

ストレスが続くと、免疫力が低下してしまい、皮膚炎や消化器のトラブルを引き起こすことがあります。その結果、食欲の低下や下痢、嘔吐などの体調の変化が表れることもあります。

このような場合は、早めに動物病院で診察を受け、体調不良がストレスによるものなのか、他の病気が原因なのかを正確に判断してもらいましょう

 

また、もしも極度のストレスや不安症が続いている場合は、獣医師の指導のもとで薬物療法を検討することも選択肢のひとつです。

 

まとめ


愛犬のストレスは、日々の観察を通じて早めに気づくことが大切です。

特に、食欲や行動の変化、身体的な異常が見られたときは、まずはストレスの原因を探り、愛犬が安心して過ごせるように環境を整えることを心がけましょう。小さなサインを見逃さないことが、愛犬の心と体を守る第一歩になります。

 

また、定期的な健康管理もとても大切です。

ストレスが続くと、健康問題につながるケースも少なくありません。そのため、普段から動物病院での定期的な健康診断を受けることで、体調の変化にいち早く気づき、早期の対策を取ることが可能になります。特に、高齢の犬や持病がある場合は、より丁寧なケアを心がけましょう。

 

そして、愛犬との暮らしの中でもしも分からないことや不安なことがありましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

 

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