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獣医師コラム
犬が震えるのはなぜ?|寒さ・ストレス・病気のサインを見極めるポイント
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
愛犬が体を小刻みに震わせている様子を見て、「寒いのかな?」「怖がっているだけかも」と感じたことはありませんか?
確かに、震えは気温や感情の変化など、一時的なものであることもあります。
しかし中には、体の不調や痛み、病気の初期サインとして現れているケースもあり、軽く見てしまうと思わぬ見落としにつながることがあります。
今回は、犬が震えるときに考えられる原因を、生理的なものから病的なものまで段階的に整理し、受診の判断基準やご家庭での対応について解説します。
■目次
1.犬が震えたときの観察ポイント|震え方・時間・きっかけを記録しよう
2.一時的な震え|寒さ・緊張・喜びによる自然な反応
3.病気が原因の震え|見逃したくない体の異変サイン
4.受診が必要なサインとは?
5.震えに気づいたときの応急対応と診察前の準備
6.まとめ|犬の震えは体の異変サインかも
犬が震えたときの観察ポイント|震え方・時間・きっかけを記録しよう
犬の震えに気づいたときは、まずは落ち着いて状況を観察することが大切です。慌てずに、次のようなポイントを確認してみてください。
<震えの範囲>
・全身が震えているのか
・一部だけ(後ろ足・口元・顎など)が震えているのか
<震えが始まった状況やきっかけ>
・寒い場所でじっとしていた後なのか
・食後、運動後、睡眠中など、特定のタイミングで起きたのか
<その他の症状>
・嘔吐、下痢
・元気がない、動きが鈍い
・ふらつき、よだれが出ている など
これらの情報は、診察の際にとても重要な手がかりとなります。
もし可能であれば、震えている様子を動画で記録しておくと、獣医師がより正確に状態を把握しやすくなります。
一時的な震え|寒さ・緊張・喜びによる自然な反応
犬の震えには、病気によるものではなく、生理的な理由で一時的に起こるケースもあります。次のような状況で見られることが多く、いずれも自然な反応といえます。
◆寒さによる震え
特に短毛の犬種、子犬、高齢の犬は体温調節がうまくできず、寒さに敏感な傾向があります。冷えた室内や外気に触れたときに震えることがあります。
◆不安や恐怖による緊張
環境の変化や大きな音(雷、花火、掃除機など)、見慣れない場所・人に対して緊張や不安を感じて震えることがあります。
◆興奮による一時的な反応
飼い主様が帰ってきたときや、おやつ・ごはんの時間など、嬉しさや期待から一時的に震えることもあります。
このような震えは、周囲の環境を整えてあげたり、やさしく声をかけて安心させたりすることで自然とおさまることが多いです。
病気が原因の震え|見逃したくない体の異変サイン
一方で、震えが体の異常や病気によって起こっている場合も少なくありません。見た目は軽い症状に見えても、早めの対処が必要なケースもあるため注意が必要です。
◆低血糖(特に小型犬や子犬で多い)
エネルギー不足によって、震え、元気がなくなる、ぐったりするといった症状が見られます。
◆てんかん発作
突然、全身が震える・痙攣する・意識がぼんやりするなどの症状が出る発作です。
◆椎間板ヘルニア
痛みによる震えや、後ろ足のふらつき、歩き方の異常が見られることがあります。無理に歩かせると症状が悪化することもあるため、注意が必要です。
◆心疾患・腎疾患
慢性的な内臓疾患でも、全身の状態が悪化すると震えが現れることがあります。元気がない、食欲が落ちた、呼吸が荒いなどの症状を伴うこともあります。
◆中毒(チョコレート、タマネギ、誤食など)
震え、嘔吐、下痢、意識がもうろうとするといった症状が現れることがあります。中毒が疑われる場合は、迷わずすぐに動物病院へ連絡してください。
受診が必要なサインとは?
以下のような状態が見られる場合は、できるだけ早めに動物病院へご相談ください。
・震えが数分以上続いて止まらない
・1日に何度も繰り返す
・元気や食欲が明らかに低下している
・呼吸が荒い、よだれが多い、意識がもうろうとしている
・倒れる、または痙攣のような動きが見られる
こうした「ふだんと違う異変」が見られたときは、迷わず病院へ連絡しましょう。
また、夜間や休日に備えて、救急対応している動物病院の連絡先をあらかじめ確認しておくと、いざというときにも安心です。
▼夜間の動物病院を受診する際に知っておくべきポイントについてはこちらで解説しています
震えに気づいたときの応急対応と診察前の準備
動物病院を受診するまでの間にも、ご自宅でできる対応があります。慌てずに、以下のようなことを心がけてみてください。
◆体が冷えている場合は保温を
寒さによる震えの可能性があるときは、タオルや毛布などでやさしく体を包み、冷えないようにしましょう。
ただし、熱がある・呼吸が荒い場合は無理に温めすぎないように注意してください。
◆静かな環境で安静に
大きな音や騒がしい環境は不安をあおることがあります。落ち着いた静かな場所でそっと見守り、安静に過ごせるように配慮しましょう。
◆無理に動かさない
体に痛みがある場合、抱き上げたり無理に動かしたりすることで、症状が悪化することもあります。移動が必要なときは、体を支えながらやさしく行ってください。
◆症状の様子を記録する
震えの様子、どの部位が震えているか、時間帯、頻度、ほかの症状(よだれ、ふらつき、元気の有無など)をメモしておくと診察時に役立ちます。
可能であれば、震えている様子を動画で記録しておくのもおすすめです。
◆人間の薬は絶対に使わない
市販の痛み止めや風邪薬など、人用の薬を与えることは絶対に避けてください。
少量でも中毒や重い副作用につながる可能性があります。
まとめ|犬の震えは体の異変サインかも
犬の震えには、寒さや緊張などによる一時的な反応もあれば、体の不調や病気によるサインであることもあります。
そのため、「生理的なものかどうか」を見極めることがとても大切です。
中には、命に関わる病気の初期サインとして震えが現れることもあります。
「少しだけだから大丈夫かな」と思っていても、見えないところで異常が進んでいる可能性もあるため、油断は禁物です。
日頃から愛犬の様子をよく観察し、異変に気づいたときにはできるだけ早めに動物病院にご相談ください。
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