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犬のフィラリア症の予防と治療|愛犬を守るための完全ガイド

倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。

フィラリア症は、犬を飼っている方なら誰もが耳にすることのある病気です。
多くの飼い主様は、春が来ると予防薬の投与を始めますが、「本当にこの予防が必要なのか?」「万が一感染したらどう対処すればいいのか?」といった疑問を持つこともあるでしょう。

この記事では、【フィラリア症の原因から予防法】までを詳しくご紹介し、ご家庭での適切な対策をお伝えします。

■目次
1.フィラリア症の原因
2.フィラリア症の症状とは?
3.診断方法と治療方法
4.予防法やご家庭での注意点
5.まとめ

 

フィラリア症の原因


フィラリア症は蚊を介して感染する病気で、主に心臓や肺動脈に寄生する糸状の寄生虫、フィラリアによって引き起こされます

蚊がフィラリアに感染している犬から血を吸うことでフィラリアの幼虫を取り込み、次に別の犬に吸血する際にその幼虫を犬の体内に移すことによって発症します。

そして幼虫は体内で成長し、成虫になってしまうと単なる内服薬では治療が難しくなるため、予防が非常に重要であり幼虫段階での予防薬の投与が効果的です。

 

フィラリア症の症状とは?


フィラリアが犬に感染すると、心臓から肺へ血液を送る重要な血管である「肺動脈」に寄生します。感染した幼虫は次第に成長し、最終的には約30cm程度の大きさまで成長します。

症状は感染しているフィラリアの数や病気の進行度によって異なりますが、一般的には初期段階では症状がほとんど現れません
しかし、幼虫が成虫に成長し始めると液循環や呼吸器に障害が起こり、軽い咳や運動後の疲れやすさ、赤い色の尿が出るなどが見られることがあります。

そして、フィラリアが肺動脈から心臓へ移動した場合、重度の三尖弁逆流を引き起こし、これが循環不全を招くと大静脈症候群という深刻な状態に至ります。
この状況では、呼吸困難、運動に対する耐性の低下、低血圧、腹水が溜まる、失神するといった重篤な症状が現れ、急死するリスクも伴います。

 

診断方法と治療方法


フィラリアの診断には血液を用いた2つの主要な方法が存在します。
1つ目は顕微鏡を使用して血液中のフィラリアの幼虫を直接確認する方法であり、2つ目は血液抗原検査によりフィラリアの存在を検出する方法です。
フィラリア症は治療が困難な病気で、一度感染してしまうと体内からフィラリアを完全に排除することは非常に難しいとされています。

また、症状が明らかでフィラリアの寄生が大量に見られる場合、吊り出し法と呼ばれる手術によってフィラリアを物理的に取り除く方法があります。
一方、症状がまだ現れていない段階での治療では、駆虫薬を長期にわたって服用し、徐々にフィラリアの数を減らしていく治療法が採られることが一般的です。

 

予防法やご家庭での注意点


フィラリア感染を防ぐためには予防が最も効果的であり、駆虫薬を使用することで予防が可能です。しかし、予防薬の投与期間は地域によって異なるため、かかりつけの動物病院が推奨する期間に従い、定期的に投薬を行うことが大切です。

特に、駆虫薬を初めて投与する際には、フィラリアへの感染がないことを動物病院で確認してから始めることが必要です。これは、既に感染している場合に駆虫薬によって血液中のフィラリア幼虫が死滅することで、ショック状態に陥る可能性があるためです。
このようなリスクを避けるためにも、予防薬の投与前には必ず動物病院で検査を受けるようにしましょう。

 

まとめ


フィラリア症は予防が可能な病気です。予防薬の適切な使用と定期的な検診を行うことで、愛犬をこの病気から守れます。フィラリア症に対する意識を高く持ち、愛犬の健康管理に努めましょう。フィラリア症に関するご不安があれば、遠慮なくご相談ください。


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