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獣医師コラム
狂犬病ワクチンについて|予防が愛犬の命を守る
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
愛犬の健康管理の一環として、狂犬病ワクチンの接種を忘れずに行うことが大切です。
狂犬病は、一度発症すると致命的な結果を招く可能性が高い病気ですが、適切な予防接種によって、病気から愛犬を守ることができます。
この記事では、【狂犬病の基本情報、感染経路、そして予防の重要性】について解説していきます。
■目次
1.狂犬病の概要(病原体と感染経路)
2.感染するとどうなるか(臨床経過)
3.ワクチンの特徴と副作用
4.注意点
5.まとめ
狂犬病の概要(病原体と感染経路)
狂犬病は、犬や猫、そして人間を含むほぼ全ての哺乳類に感染する可能性がある恐ろしい病気です。病原体はラブドウイルス科に属する狂犬病ウイルスです。
狂犬病の感染経路は感染している動物に噛まれるなど直接的なものがほとんどですが、それ以外にも、感染した動物の唾液が傷口や粘膜に接触することでも感染する可能性があります。
特に、野生動物との接触を避けられない地域や、狂犬病がまだ根絶されていない国では、感染リスクが高まります。
この病気の最も恐ろしい点は、一旦症状が現れ始めた場合には治療法がなく、ほぼ100%の致死率となることです。
感染するとどうなるか(臨床経過)
狂犬病ウイルスに感染すると、感染動物や人にはいくつかの典型的な症状が見られます。
感染初期には特定の症状が現れにくい潜伏期間があります。この期間は1週間から1カ月程度とされていますが、症状が現れるまでの時間は感染部位やウイルス量、宿主の免疫状態によって異なります。
そして潜伏期間の後、症状として発熱、頭痛、不快感、筋肉痛などが現れますが、これらは一般的な感染症の症状と似ているため、狂犬病の初期診断が困難なこともあります。
さらにウイルスが神経系に到達すると、より特徴的な神経症状が現れ始めます。これには、嚥下困難、水恐怖症、過敏、興奮、攻撃性の増加、幻覚や錯乱、麻痺などが含まれます。
この段階になると、治療法は存在せず、病状は急速に悪化して昏睡状態となり、最終的には呼吸困難により死に至ります。
狂犬病を防ぐ唯一の方法は、感染前にワクチンで予防することです。
一旦症状が現れた場合、狂犬病は治療が非常に困難であり、ほぼ100%の致死率となります。このため、愛犬が野生動物と接触する可能性がある場合や、狂犬病が発生している地域への旅行前には、予防接種を受けることが強く推奨されます。
ワクチンの特徴と副作用
狂犬病ワクチンは、狂犬病ウイルスに対する免疫を構築することで感染を予防します。
日本では、狂犬病予防法により、全ての犬に対して年に1回のワクチン接種が義務付けられており、これにより国内での狂犬病の発生を効果的に防いでいます。
ワクチン接種は一般的に安全ですが、稀に接種部位の腫れや発熱、アレルギー反応が起こる場合があります。副作用が心配な場合や、愛犬が過去にワクチン接種で副作用を経験したことがある場合は、接種前に獣医師に相談しましょう。
注意点
狂犬病ワクチン接種に際して、飼い主様が注意すべきいくつかのポイントがあります。
まず、狂犬病予防法により、全ての犬に対して年1回のワクチン接種が義務付けられていることを認識しておくことが重要です。
ワクチン接種を怠ると、法律によって罰金が科される可能性がありますので、接種スケジュールをしっかりと管理しましょう。
接種後は、注射済票を大切に保管し、犬の首輪などに添付して管理することが推奨されます。これにより、万が一の事態が発生した際にも、迅速かつ適切な対応が可能となります。
また、ワクチン接種を行う際は、愛犬の健康状態を獣医師と相談し、適切な時期に接種することが大切です。
まとめ
狂犬病は、その致命率がほぼ100%に達する恐ろしい病気であり、犬だけでなく人間を含むほぼ全ての哺乳類に感染する可能性があります。しかし、予防接種によってこの病気から愛犬を守ることが可能です。
ワクチンスケジュールをしっかりと把握し、愛犬と共に健康で幸せな時間を過ごしましょう。
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