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獣医師コラム
子犬・子猫の「社会化期」にすべきこと|未来の安心のために今できること
子犬や子猫を新しく家族に迎えたとき、「元気に育ってくれるかな?」「しつけってどうすればいいの?」と、不安や疑問を感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。
そんな飼い主様にぜひ知っておいていただきたいのが、「社会化期(しゃかいかき)」と呼ばれる限られた時期の大切さです。
社会化期とは、犬や猫の“心”が育つ、とても大切な発達の時期のこと。
この時期にどんな経験をするかによって、将来の性格や行動、周囲との関わり方が大きく変わってくるといわれています。
今回は、子犬・子猫の社会化期にしておきたいことや、ワクチンとのバランス、安全に社会化を進めるためのポイント、そして当院で行っている健康管理プログラムについてご紹介していきます。
■目次
1.社会化期ってなに?|子犬・子猫の“心”が育つ時期
2.どんなことを経験させればいい?|社会化で身につく力
3.しつけのスタートは“社会化期”が最適
4.ワクチン接種とのバランス|安全に社会化を進めるには?
5.社会化期の不安もサポートします|倉敷動物愛護病院の取り組み
6.まとめ|将来の落ち着いた暮らしは、社会化期の経験から
社会化期ってなに?|子犬・子猫の“心”が育つ時期
社会化期とは、犬や猫がまわりの環境を受け入れて、「怖がらずに安心して暮らせる心」を育てる大切な時期のことです。
この時期にどんな経験をするかが、将来の性格や行動に大きく影響するといわれています。
社会化期の時期は、犬と猫とで少し違います。
・子犬の場合:生後3週齢〜14週齢ごろ
・子猫の場合:生後2週齢〜9週齢ごろ
この限られた時期に、人との触れ合い、音やにおい、新しい場所、他の動物との関わりなど、さまざまな刺激に触れておくことで、落ち着いた性格や環境への適応力が自然と育まれていきます。
社会化がうまく進むと、将来の「吠える」「噛む」「極度に怖がって動けなくなる」といった行動の予防にもつながります。
つまり、今の経験が未来の安心や暮らしやすさに直結するということです。
どんなことを経験させればいい?|社会化で身につく力
社会化期には、「初めての経験」をたくさん重ねていくことが大切です。
とはいえ、無理に怖がらせたり、急がせたりする必要はありません。
少しずつ、安心できる形で、楽しい体験として積み重ねていくことがポイントです。
たとえば、次のような経験が社会化には効果的です。
◆ 人に慣れる
男性・女性・子ども・ご高齢の方など、年齢や性別の異なる人と触れ合う体験をさせましょう。
◆ 音に慣れる
掃除機、インターホン、車の音など、日常生活でよく聞く音に少しずつ慣らしていきましょう。
◆ 物に慣れる
首輪やリード、クレート、ブラシ、おもちゃなど、将来使うものに触れる練習をしておくと安心です。
◆ 環境に慣れる
家の中や外、新しい部屋、動物病院の待合室など、さまざまな場所に慣れておくことも大切です。
◆ 他の動物に慣れる
兄弟や先住動物、他の犬や猫との距離感を学ぶことで、社会性やコミュニケーションの力が育ちます。
これらの経験は、成長してからの「暮らしやすさ」にしっかりつながっていきます。
「苦手を減らす」よりも、「安心できることを増やしていく」という気持ちで、やさしく見守りながら進めていきましょう。
しつけのスタートは“社会化期”が最適
社会化期は、しつけやトレーニングを始めるのにもとても適した時期です。
このタイミングでスタートすることで、スムーズに覚えてくれることが多く、苦手意識を持ちにくくなるといわれています。
たとえば、次のようなしつけや練習を少しずつ始めてみましょう。
・トイレトレーニング
・クレートトレーニング(キャリーケースに慣れる練習)
・抱っこ・足ふき・耳そうじ・ブラッシング・歯みがき などのお手入れに慣れる練習
・「おいで」「まて」など、基本的な声かけや合図に慣れる練習
これらはすべて、将来の通院やお出かけ、お手入れのしやすさにもつながる大切な経験です。
<「叱る」よりも「ほめる」ことが大切です>
しつけを進めるうえで大切なのは、「叱ること」よりも「成功をほめてあげること」です。
うまくできたときにたくさん声をかけてほめてあげることで、良い行動が自然と身につきやすくなります。
失敗しても怒らず、成功の経験を積み重ねていくことで、愛犬・愛猫にとってもしつけが楽しい時間になります。
ワクチン接種とのバランス|安全に社会化を進めるには?
社会化期とワクチン接種の時期は、ちょうど同じタイミングに重なることが多いため、「ワクチンが終わるまでは、なにもできないのでは…?」と心配になる飼い主様もいらっしゃいます。ですが、実はこれは少し誤解でもあります。
もちろん、感染症予防のために、むやみに外に出したり、ほかの犬や猫と接触させたりするのは避けるべきですが、安全な範囲での社会化体験であれば、ワクチン接種の途中でも少しずつ始めることができます。
たとえば、次のような体験が可能です。
◆ 抱っこ散歩
外のにおいや音、景色を「見る・聞く・感じる」だけでも、良い刺激になります。
◆ 室内で来客に慣れる
親戚や友人などに協力してもらい、さまざまな人と触れ合う練習を室内で行うのも効果的です。
◆ 動物病院に慣れる
感染対策がしっかりと行われている病院であれば、待合室で過ごすだけでも、良い経験になります。
このように、ワクチンプログラムと並行して、「今できること」から社会化を始めていくことがとても大切です。
将来の通院や外出、人との関わりにもつながる安心感が、少しずつ育っていきます。
社会化期の不安もサポートします|倉敷動物愛護病院の取り組み
当院では、社会化期を迎えた子犬・子猫が安心してすこやかに育っていけるよう、健康管理やしつけ面でのサポート体制を整えています。
◆ 月齢に合わせたワクチン接種のご案内
予防接種の時期や順番について、わかりやすくご説明します。
◆ 定期的な健康チェック
体重や発育の状態、体調の変化などを細かく確認し、早めの対応につなげます。
◆ ご家庭でのお手入れや生活環境のご相談
爪切りやブラッシング、過ごしやすいお部屋づくりなど、毎日のケアをサポートします。
◆ 食事やしつけに関するアドバイス
子犬・子猫の月齢や性格に合わせたフード選びや、はじめてのしつけについてもご相談いただけます。
「はじめての飼育で不安がある…」「なにを準備したらいいのかわからない」
そんな飼い主様も、どうぞお気軽にご相談ください。
一緒に、安心して育てていける環境を考えていきましょう。
🩺【猫の秋冬健診キャンペーン実施中🐱】🩺
当院では、7月〜9月にかけて「猫の健康診断キャンペーン」を行っています。
社会化期を終えた猫も、この機会に健康状態のチェックや成長の確認をしてみませんか?
気になることがあれば、どんなことでもお気軽におたずねください。
まとめ|将来の落ち着いた暮らしは、社会化期の経験から
社会化期は、犬や猫にとって一生に一度しかない、大切な成長の時間です。
この時期にどんな経験をするかによって、将来の性格や行動、そしてご家族との関係性が大きく変わることもあります。
初めての飼育で「これで合っているのかな?」「今の時期にやっても大丈夫?」と不安に感じることがあっても、まったく問題ありません。
そのひとつひとつを、一緒に確認しながら進めていきましょう。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
ペットと飼い主様にとって最善の診療を行うことを心がけております。
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