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獣医師コラム
犬の皮膚がカサカサ?秋冬の乾燥&フケ・かゆみ対策ガイド
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
犬の皮膚がカサカサして白いフケが出たり、体を掻くしぐさが増えたりしていませんか?
特に秋から冬にかけては、空気の乾燥や暖房による湿度低下によって犬も皮膚トラブルを起こしやすくなります。
「ただの乾燥だろう」と様子を見ているうちに赤みや湿疹、細菌感染へと悪化することもあるので、予防と早めのケアをしてあげましょう。
今回は、犬の皮膚トラブルの原因や対策から受診の目安について分かりやすく解説します。

■目次
1.冬は犬の肌トラブルが増える季節|乾燥やフケに注意
2.犬の皮膚が乾燥する主な原因
3.乾燥に似た症状でも実は病気の可能性がある
4.自宅でもできる犬の乾燥対策|毎日のケアで悪化を防ぐ
5.こんな症状があれば要受診|動物病院での診察が必要なサイン
6.動物病院で行う診断と治療
7.まとめ|秋冬のかゆみは放置しないことが大切
冬は犬の肌トラブルが増える季節|乾燥やフケに注意
秋から冬はヒトと同じように犬の皮膚が乾燥しやすくなる季節です。
皮膚の表面は薄い皮脂膜に守られていますが、湿度が下がるとこのバリア機能が低下し、皮膚のうるおいが不足します。
その結果、フケが増えたり毛並みがパサついたり、かゆみを感じて体を掻くようになります。
掻きむしりが続くと皮膚の表面が傷つき、細菌が入り込んで湿疹や膿皮症などの皮膚炎に発展することも少なくありません。
乾燥は単なる見た目の変化にとどまらず、皮膚の健康バランスが崩れる入口となるため注意が必要です。
犬の皮膚が乾燥する主な原因
犬の皮膚が乾燥する背景には、外的要因と内的要因が関わっています。
◆ 外的要因
最も多いのは暖房などの空調による湿度低下・乾燥です。
さらに、皮膚を守るはずのシャンプーが逆に乾燥を悪化させているケースもあります。
洗浄力の強いシャンプーや頻回な入浴は皮膚の油分を奪い、バリア機能を壊してしまいます。
◆ 内的要因
一方で、体質や加齢により皮膚の保湿力が低下する内的要因も考えられます。
シニア期に入ると皮膚の代謝が落ち、乾燥しやすくなるほか、栄養バランスの偏りや必須脂肪酸の不足も皮膚の乾燥を招く要因になります。
原因を特定せずに対処しても改善しにくいため、個々に合ったケアが必要です。
乾燥に似た症状でも実は病気の可能性がある
一見すると乾燥に見えても、実は皮膚疾患が隠れていることがあります。
代表的なものにアトピー性皮膚炎があります。
遺伝的要因や環境アレルゲンが関係し、慢性的なかゆみや炎症を引き起こします。
また、食物アレルギーでもかゆみやフケが出ることがあります。
さらに、脂漏性皮膚炎では皮膚の脂分が不足または増加し、カサカサした白いフケやベタつきが見られます。
この他にもダニやノミの寄生、真菌(カビ)感染による皮膚炎も乾燥と似た症状を見せるため、「ただの乾燥だろう」と自己判断して放置することは危険です。
自宅でもできる犬の乾燥対策|毎日のケアで悪化を防ぐ

皮膚の乾燥が原因であれば、ご家庭でのケアで改善が見込めることもあります。
「保湿」「環境」「栄養」の3つを意識して、日々のケアを見直してみましょう。
・犬用の保湿スプレーやローション:ブラッシング時に使用することで皮膚の水分保持を助けます。
・シャンプー:月1〜2回を目安にし、低刺激で保湿成分の含まれたものを選ぶと良いでしょう。洗いすぎは逆効果になるため注意が必要です。
・加湿器・空調:湿度は40〜60%を保ち、エアコンの温風が直接当たらない寝床を用意します。
・食事による栄養管理:オメガ3脂肪酸を含むサーモンオイルなどを取り入れると皮膚の健康維持に役立ちます。
「こんな時どうしたら良いのかな?」「これって大丈夫かな?」と少しでも感じたら、遠慮なく動物病院に相談してみてください。
気軽に専門家の意見を聞くことも、愛犬の健やかな毎日につながります。
こんな症状があれば要受診|動物病院での診察が必要なサイン

自宅ケアを続けても改善が見られない場合や、皮膚の異常が進行している場合は早めの受診をおすすめします。
以下の症状は皮膚炎や寄生虫感染が疑われます。
✓ 掻き壊しによる出血や脱毛がある
✓ 皮膚が赤くただれている
✓ ベタつきや悪臭を伴う
✓ 黒いフケのように見えるものがある(ダニの糞)
上記の様子が見られた場合は、市販薬や民間療法に頼らず、動物病院にて適切な診断を受けることが大切です。
動物病院で行う診断と治療
動物病院ではまず問診と視診を行い、必要に応じて皮膚検査や被毛検査、細胞診などを実施します。
アトピーや食物アレルギーが疑われる場合には血液検査やアレルギー検査を併用することもあります。
治療は原因に応じて異なりますが、外用薬による炎症のコントロールや抗生剤・抗真菌薬による感染症治療などが行われます。
乾燥やアレルギーが背景にある場合は、スキンケア指導や食事管理、抗炎症薬などを組み合わせて治療を行います。
相談・受診の際には、皮膚の状態の変化が分かるような写真があると獣医師の診断にも役立ちます。
まとめ|秋冬のかゆみは放置しないことが大切
犬の皮膚の乾燥はよくある相談の一つですが、そのままにしてしまうと慢性的な皮膚トラブルにつながることがあります。
日頃から保湿や環境整備を意識し、皮膚の変化に早めに気付いて対処することが大切です。
「最近かゆがっている気がする」「フケが気になる」という段階でご相談いただければ、早期に原因を特定し適切なケアに繋げることができます。
気になる症状があれば、お気軽に当院までご相談ください。
■関連する記事はこちら
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