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獣医師コラム
犬や猫の呼吸が速い・苦しそうな原因は?|危険な症状の見分け方
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
愛犬や愛猫の呼吸がいつもより速くなっていると、「何か異常があるのでは?」と不安に感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。呼吸の異常は、心臓や肺の病気、熱中症、さらにはストレスなど、さまざまな原因で起こります。
まずは、愛犬や愛猫の正常な呼吸数を知り、どのような状態が危険なのかを理解しておくことが必要です。
今回は、犬や猫の正常な呼吸数や呼吸異常を見分けるポイント、呼吸の異常を引き起こす主な原因、そして動物病院を受診するタイミングについて解説します。
■目次
1.正常な呼吸数はどれくらい?
2.呼吸が速くなる原因とは?
3.犬と猫で異なる?呼吸が速くなるときの注意点
4.こんな呼吸は要注意!危険な症状の見分け方
5.毎日のケアで守る!呼吸器の健康を維持する方法
6.まとめ
正常な呼吸数はどれくらい?
犬や猫の呼吸が速いかどうかを判断するには、正常な呼吸数を知っておくことが重要です。
<犬の正常な呼吸数>
安静時の犬の呼吸数は、1分間に10〜30回程度が目安です。運動後や興奮したときには、一時的に呼吸が速くなることがありますが、しばらく安静にして通常のペースに戻るようであれば心配いりません。
<猫の正常な呼吸数>
猫の安静時の呼吸数は、1分間に20~30回程度が正常とされています。犬に比べて少し呼吸が速い傾向がありますが、これが通常の範囲です。
ただし、安静時でも呼吸数が40回を超える場合や、お腹を大きく動かして呼吸している場合は、呼吸器や心臓の異常の可能性も考えられます。
呼吸が速くなる原因とは?
犬や猫の呼吸が異常に速くなる原因はさまざまですが、主に心臓の病気、呼吸器の病気、そしてその他の要因に分けられます。
<心臓の病気>
◆心不全
心臓のポンプ機能が低下すると体内に十分な酸素が行き渡らず、呼吸が速くなります。重症化すると肺に水が溜まる(肺水腫)こともあり、この場合はさらに呼吸が苦しくなります。
◆不整脈
心臓のリズムが乱れると血液の流れが悪くなり、体が酸素不足を補うために呼吸数が増えることがあります。
<呼吸器の病気>
◆気管支炎
気道に炎症が起こり、狭くなることで呼吸がしづらくなります。その結果、呼吸が速く浅くなることがあります。
◆肺炎
細菌やウイルス感染が肺に広がると酸素を十分に取り込めなくなり、呼吸が速くなります。
<その他の原因>
◆熱中症
暑い環境で過ごしていると、体温を下げるためにパンティング(浅く速い呼吸)が増えます。重症化すると、意識障害や脱水症状が現れることもあるため、涼しい場所で休ませ、水分補給を行うなど、早めの対処が必要です。
◆貧血
血液中の赤血球が不足すると、体が酸素を補うために呼吸が速くなります。
◆ストレス
環境の変化や怖い出来事があると、一時的に呼吸数が増えることがあります。通常は、時間が経つと落ち着きますが、長期間続く場合は注意が必要です。
犬と猫で異なる?呼吸が速くなるときの注意点
呼吸が速くなる原因は、犬種や猫の特性によっても異なります。
<犬の場合に注意すべき呼吸の異常と原因>
犬の呼吸が速くなる原因はさまざまですが、犬種による違いも大きく影響します。特に、短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、シーズーなど)は、もともと気道が狭いため、通常よりも呼吸が荒くなりやすいのが特徴です。暑い時期には、熱中症のリスクも高まるため、涼しい場所で過ごせるように工夫してあげましょう。
また、高齢の犬や小型犬は心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)になりやすく、心臓の機能が低下することで、肺に水が溜まる(肺水腫)ことがあります。
特に、心臓の問題がある犬は、疲れやすく、咳をすることが多いため、普段から様子を観察しておくことが大切です。
<猫の場合に注意すべき呼吸の異常と原因>
猫の場合、呼吸が速くなる原因の一つに喘息があります。特にアレルギー体質の猫は気道が過敏になりやすく、ホコリや花粉、煙などに反応して呼吸困難を引き起こすことがあります。
また、猫の呼吸異常の原因として、胸に水が溜まる胸水も考えられます。胸水が溜まることで肺が十分に広がらなくなり、呼吸が速く浅くなることがあります。
症状が進行すると、呼吸がさらに苦しくなり、ついには口を開けて呼吸する状態になることもあります。
こんな呼吸は要注意!危険な症状の見分け方
愛犬や愛猫の呼吸が速いだけでなく、次のような特徴的な呼吸パターンや症状が見られた場合は、緊急性が高い状態です。すぐに動物病院に連絡・受診しましょう。
◆口を開けて呼吸している(特に猫)
猫は通常、口を開けて呼吸しません。もし口を開けて「ハァハァ」と呼吸している場合、呼吸がとても苦しい状態で、重い呼吸器や心臓の病気の可能性があります。
◆呼吸が非常に速く、安静にしても改善しない
運動後や興奮後ではないのに、呼吸が速いまま戻らない場合は要注意です。
◆肩やお腹が大きく動いている
呼吸するたびに肩が上下したり、お腹を大きく動かしたりしている場合、呼吸に負担がかかっているサインです。
◆チアノーゼ(舌や歯茎が青紫色になっている)
チアノーゼが見られる場合は、酸素不足による危険な状態です。
◆横になったまま動かず、苦しそうにしている
呼吸が苦しくて動けない状態は、緊急性が非常に高いので、すぐに病院へ連れて行きましょう。
<夜間や休日に呼吸の異常が出たらどうする?>
夜間や休日に呼吸の異常が見られた場合、「すぐに受診すべきかどうか」と迷うこともあるかもしれません。
症状が軽く、呼吸がやや速い程度であれば、まずは静かな場所で安静にさせて様子を見ることも可能です。しかし、呼吸が浅く速い場合や、口を開けて呼吸している、体を大きく動かして苦しそうにしている場合は、緊急性が高い可能性があります。
もしも受診すべきか判断に迷った場合は、迷ったときこそ早めに受診することが安心につながります。少しでも不安を感じたら、かかりつけの病院に相談し、夜の場合は夜間救急の動物病院に相談しましょう。
毎日のケアで守る!呼吸器の健康を維持する方法
愛犬や愛猫の健康を守るためには、呼吸器や心臓の病気を予防する日頃のケアが大切です。普段からの小さな工夫やケアが、大きな健康につながります。
◆定期的な健康診断
呼吸器や心臓の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。特に、高齢の犬や猫は、年に2回の健康診断を受けることで、病気の進行を早めに防ぐことができます。
健康診断では、胸部のレントゲンや血液検査などで、心臓や肺の状態を詳しくチェックすることが可能です。
◆室内環境を整える
室内環境を整えるためには、温度や湿度の調整が大切です。
暑すぎる環境では熱中症になるリスクが高まり、逆に寒すぎると気管支炎を悪化させる可能性があります。室温は25℃前後、湿度は50〜60%程度を目安に保つと安心です。エアコンや加湿器、除湿機をうまく活用して、快適で過ごしやすい環境を作りましょう。
また、清潔な環境を維持することも呼吸の健康には欠かせません。ホコリやカビ、花粉などのアレルゲンを減らすために、部屋はこまめに掃除を行いましょう。さらに、空気清浄機を活用することで、常に新鮮な空気を保つことができます。
◆運動と体重管理
心臓や呼吸器の健康を守るためには、運動や体重管理がとても大切です。
適度な運動を取り入れることで運動不足を防ぎ、肥満を予防できます。犬の場合は散歩やおもちゃを使った遊び、猫の場合はキャットタワーやおもちゃを活用して、無理のない範囲で楽しく体を動かすようにしましょう。
また、体重管理も重要です。肥満は、呼吸器や心臓に負担をかけるだけでなく、全身の健康にも影響を与えることがあります。適正体重を維持するためには、食事の量や栄養バランスを見直すことが必要です。
まとめ
愛犬や愛猫の呼吸がいつもと違うと感じたときは、まずは落ち着いて様子を観察し、正常な範囲かどうかを判断することが大切です。特に、短頭種の犬や高齢の犬猫は、心臓や呼吸器の病気になりやすいため、日頃からの健康チェックと定期的な診察を心がけましょう。
もし、呼吸が速くなり苦しそうな様子が見られた場合は、迷わず動物病院へ相談し、適切な診断を受けることが大切です。特に、口を開けて呼吸している、歯茎や舌が青紫色になっている(チアノーゼ)といった緊急性の高い症状が見られたときには、すぐに受診しましょう。
当院では、呼吸に関するご相談や健康診断を受け付けております。愛犬や愛猫の呼吸について少しでも不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
■心臓や呼吸に関連する記事はこちらから
・犬や猫に咳がみられたらどんな病気が考えられる?|病気や原因を解説
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