獣医師コラム一覧
-
- 2024/09/10
- 猫の口内炎について|...
-
- 2024/09/10
- 猫伝染性鼻気管炎につ...
-
- 2024/09/09
- 猫白血病ウイルス感染...
-
- 2024/09/09
- 猫免疫不全ウイルス感...
-
- 2024/08/26
- 犬のてんかんについて...
-
- 2024/08/26
- 犬と猫の尿検査の重要...
-
- 2024/08/24
- 猫の関節炎について|...
-
- 2024/08/24
- 猫の腎臓病について|...
-
- 2024/07/05
- 高齢犬の認知症につい...
-
- 2024/07/05
- 犬のシャンプーの仕方...
獣医師コラム
犬と猫の避妊・去勢手術について|病気の予防にも大きく関係している
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
「避妊」「去勢」という言葉は多くの飼い主様が一度は耳にしたことがあると思います。
これらの手術は、望まない妊娠を防ぎ、乳腺腫瘍、前立腺肥大といった性ホルモンに関連する病気の予防に非常に重要です。
特に繁殖を考えていない場合は、これらの健康リスクを未然に防ぐためにも、可能な限り早期に避妊や去勢手術を受けることをお勧めします。
今回は、避妊・去勢手術の重要性と、そのメリット、予防できる病気について詳しくご紹介します。
■目次
1.避妊・去勢手術とは
2.手術のプロセス
3.避妊・去勢手術のメリット
4.避妊手術で予防できる疾患
5.去勢手術で予防できる疾患
6.避妊・去勢手術の注意点
7.まとめ
避妊・去勢手術とは
避妊手術とは、メスの犬や猫のおなかを切開して卵巣や子宮を摘出する手術です。この手術により、妊娠の可能性がなくなり、発情期の問題行動や、乳腺腫瘍、子宮蓄膿症などのリスクを大幅に低減します。
去勢手術は、オスの犬や猫の精巣を摘出する手術です。なお、犬では陰嚢と包皮の間を、猫では陰嚢を切開して精巣を摘出します。
この手術によっても、発情期に伴う問題行動や前立腺疾患、精巣腫瘍のリスクが減少します。
犬も猫も、生後6ヶ月頃から避妊・去勢手術を受けることができます。成長して大きくなりすぎると、麻酔が効きにくくなるため早めに受けることをお勧めしています。
また、メスの犬と猫の病気のリスクを更に低減するためには、メス犬は初回発情前、メス猫は生後6ヶ月以前に手術を行うのが最も効果的です。
手術のプロセス
避妊・去勢手術は全身麻酔のもと行われます。手術時間は短く、避妊手術の場合は1日入院することがありますが、去勢手術の場合は入院の必要もなく当日に退院可能です。
なお、手術後数日間は安静に過ごすようにしましょう。
避妊・去勢手術のメリット
最も明確なメリットは、望まない妊娠を防ぐことです。これにより、動物保護施設に持ち込まれる犬や猫の数を減らすことにも繋がります。
そして、発情期に見られる大きな鳴き声、マーキング(尿での縄張り表示)、脱走の試みなどの問題行動が減少します。
避妊手術で予防できる疾患
<子宮蓄膿症>
性ホルモンの影響で免疫力が下がる発情後2か月以内の黄体期に発症することが多くあります。治療が遅れると子宮破裂やショックを起こし命にかかわることもあるため注意が必要です。
<乳腺腫瘍>
犬では発生の約50%、猫では約90%が悪性です。特に炎症性乳がんには有効な治療法がありません。しかし早期の避妊手術によって、発生率を大幅に低下させることが可能です。
<卵巣腫瘍>
卵巣腫瘍は良性のものもあれば、転移を伴う悪性のものもあり、腹腔内のリンパ節、肝臓、腎臓、肺、腹膜などへの転移が見られることがあります。
去勢手術で予防できる疾患
<肛門周囲腺腫>
肛門周囲腺と呼ばれる肛門の周囲にある皮脂腺が腫瘍性に増殖する病気で、尾の付け根や包皮など、肛門の周囲以外にも発生します。
<会陰ヘルニア>
ヘルニアにより直腸が圧迫されると、便が通過するのが難しくなり、便秘や排便時の痛みが生じることがあります。
<前立腺肥大>
肥大した前立腺により尿道や直腸が圧迫されてしまうことで、尿が出にくい、便が出にくいなどの症状が現れます。
<精巣腫瘍>
精巣の腫大や硬化が見られ、性ホルモンの異常分泌により、脱毛や色素沈着といった皮膚の変化や、乳房の腫脹(雌性化)、貧血などの症状が現れることもあります。
精巣腫瘍は良性であることが多いですが、場合によっては悪性に進行する可能性もあります。
避妊・去勢手術の注意点
避妊手術は多くの利点がありますが、いくつかの注意点もあります。
・太りやすくなる
避妊・去勢手術後は性ホルモンの分泌が減少して代謝が落ち、太りやすくなります。そのため、手術後は食事量を調整し、必要に応じてカロリーが調整された「去勢・避妊後」用のフードを利用することが推奨されます。
・麻酔のリスク
どの手術にも共通して言えることですが、麻酔にはリスクが伴います。リスクを管理するには、手術前の検査が重要で、これにより犬や猫の健康状態を把握し麻酔の安全性を高めることができます。
また、麻酔のリスクは加齢や基礎疾患によって高まるため、若くて健康なうちに避妊・去勢手術を行うことをおすすめします。
まとめ
避妊・去勢手術に対して不安を感じる飼い主様も少なくありません。しかし、望まない繁殖を防ぐだけではなく、行動問題を減少させ、様々な病気の予防にも繋がります。
手術を受けるタイミングやデメリットなど心配な点があれば、ぜひ当院へご相談ください。
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
ペットと飼い主様にとって最善の診療を行うことを心がけております。
一般診療はこちらから
獣医師コラム一覧
-
- 2024/09/10
- 猫の口内炎について|猫がご飯を...
-
- 2024/09/10
- 猫伝染性鼻気管炎について|猫が...
-
- 2024/09/09
- 猫白血病ウイルス感染症(Fel...
-
- 2024/09/09
- 猫免疫不全ウイルス感染症につい...
-
- 2024/08/26
- 犬のてんかんについて|愛犬が突...
-
- 2024/08/26
- 犬と猫の尿検査の重要性|尿検査...
-
- 2024/08/24
- 猫の関節炎について|愛猫からの...
-
- 2024/08/24
- 猫の腎臓病について|猫に多い病...
-
- 2024/07/05
- 高齢犬の認知症について|愛犬が...
-
- 2024/07/05
- 犬のシャンプーの仕方|正しい方...