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獣医師コラム
犬や猫の歯の健康が全身に与える影響とは?|歯のケアの重要性
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
犬や猫にとって、歯の健康は非常に大切です。実は、歯や口腔内の健康は単にお口の中だけの問題ではなく、全身の健康にも大きな影響を与えることがわかっています。
たとえば、歯周病が進行すると細菌が血流に乗って体内を巡り、心臓病や腎臓病のリスクが高まることがあります。
また、歯が痛んでいるとうまく食べ物をかみ砕けず、栄養を十分に摂取できなくなるため、体全体の調子が悪くなることもあります。
今回は、犬や猫の歯の健康がどのように全身に影響を与えるか、そして歯のケアがいかに重要かを詳しく解説します。
■目次
1.犬や猫の歯の健康と全身への影響
2.歯のケアのポイント
3.歯磨きのステップ
4.まとめ
犬や猫の歯の健康と全身への影響
犬や猫にとって、歯の健康は全身の健康と深く結びついています。実際、歯の問題が進行すると、さまざまな全身のトラブルを引き起こす可能性があります。ここでは、具体的な影響について詳しくご紹介します。
<歯周病>
犬や猫の多くが、3歳以上になると歯周病を抱えると言われています。歯周病は口臭や痛みの原因となり、進行するとしっかり食事を摂れなくなり、結果として食欲不振や体重減少を引き起こすことがあります。
<全身への悪影響>
歯周病が進行すると、歯茎から歯周病菌が血流に乗って全身に広がります。この細菌が広がることで、以下のような全身性の疾患を引き起こすリスクが高まります。
・心臓病:歯周病菌が心臓まで到達すると、心臓の弁に炎症が起き、心臓の機能が低下してしまいます。
・腎臓病:血流に乗った細菌が腎臓に届くことで、腎臓に持続的な炎症が起き、最終的に腎臓病を引き起こすことがあります。
・糖尿病:細菌が全身に広がると、インスリンの効きが悪くなり、血糖値の調整がうまくいかなくなります。これが糖尿病につながる可能性もあります。
・腸内環境への影響:歯周病菌が腸にまで届くと、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、腸のバリア機能が低下してしまいます。
<食欲と栄養状態>
健康な歯と歯茎は、しっかりと食べ物を噛むことができ、消化や栄養吸収を助けます。しかし、歯や歯茎に問題があると、食べることが痛みを伴い、食欲が低下してしまうことがあります。これにより、栄養状態が悪化し、さらなる健康トラブルを引き起こす可能性があります。
歯のケアのポイント
犬や猫の歯を健康に保つためには、いくつかの大切なポイントがあります。まず、日々のケアとしておすすめなのが、食後の歯磨きと定期的な歯の検診です。また、定期的にスケーリング(歯石除去)を行うことで、歯周病の予防にもつながります。
さらに、歯の健康をサポートする専用の食事やおやつを取り入れることも効果的です。歯のケアはできるだけ若いうちから始めるのが理想ですが、成犬や成猫になってからでも十分に始められます。
特に、歯磨きは遊び感覚で少しずつ取り入れるのがポイントです。楽しくケアできるように少しずつ慣れさせていくことで、嫌がらずに続けられるようになります。
最初は短い時間から初めて、徐々に時間を増やしていくと良いでしょう。
歯磨きのステップ
歯磨きは、少しずつ慣れさせることが大切です。焦らず、犬や猫がリラックスしているときに取り入れてみましょう。
1,口に触れる
最初は、指で優しく口の周りや内側に触れてみます。遊びながら楽しく触れることを意識しましょう。
2,歯茎のマッサージ
口の中に慣れてきたら、指で歯茎を軽くマッサージするように触れてみます。これもリラックスした時間に行うと効果的です。
3,ガーゼを使ったケア
次に、ガーゼを指に巻いて、遊びながら口の中に触れていきます。犬や猫が嫌がらないように少しずつ慣れさせましょう。
4,ガーゼで汚れを拭き取る
慣れてきたら、ガーゼを使って歯や歯茎の汚れをやさしく拭き取ります。歯磨きの前にこのステップを繰り返すことで、歯磨きへの抵抗が少なくなります。
5,歯ブラシに慣れさせる
いよいよ歯ブラシを使います。最初は軽く口の中に歯ブラシを触れるだけでOKです。無理せず少しずつ進めましょう。
6,本格的な歯磨きに移行
歯ブラシに慣れたら、実際に歯磨きに挑戦してみます。短時間でも十分ですので、焦らず少しずつ進めていきましょう。
まとめ
犬や猫の歯の健康は、全身の健康に直結する大切な問題です。毎日の口腔ケアと定期的な歯の検診、必要に応じたスケーリングを組み合わせることで、歯だけでなく全身の健康を守ることができます。
愛犬や愛猫がいつまでも元気で過ごせるよう、日々のケアを大切にしていきましょう。
■関連する病気はこちらで解説しています
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