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獣医師コラム
犬の三尖弁閉鎖不全症|フィラリア症の予防が大切
倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
三尖弁閉鎖不全症とは、犬の心疾患の中でも一般的に見られる病気です。
三尖弁とは右心房と右心室の間に存在する弁のことで、これがうまく閉じないことで、血液の逆流が起こり、心臓に負担がかかります。
初期症状はあまり目立ちませんが、進行すると愛犬の健康に深刻な影響を及ぼす恐ろしい疾患です。
この記事では、【犬の三尖弁閉鎖不全症の症状や治療方法】について解説します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
三尖弁閉鎖不全症のほとんどは、二次的な原因により発生します。
もっとも一般的なものは、僧帽弁閉鎖不全症の進行によるものです。僧帽弁は、左心房と左心室の間にある弁ですが、病態が進行すると右心系にも影響を及ぼし、三尖弁閉鎖不全症を併発することがあります。
他にも、フィラリア症や肺高血圧症などが原因で、二次的に三尖弁閉鎖不全症を発症することがあります。
また先天的な原因としては、生まれつき三尖弁が変形している三尖弁異形成症が挙げられます。
症状
軽度の場合は無症状のこともありますが、病気が進行すると、元気・食欲の低下、疲れやすい、苦しそうな呼吸、などの症状が現れ始めます。
さらに進行すると、腹水や失神、チアノーゼを起こすなど、命に関わるような症状が見られることもあります。
診断方法
診断には、聴診、レントゲン検査、心電図、心エコー検査が一般的に用いられます。これらの検査により、心臓のサイズや機能、三尖弁の状態などを総合的に評価します。
治療方法
主に、投薬による内科療法が主体になります。心臓の動きを強める強心薬や血管拡張薬、利尿薬、血圧降下剤などを使用して、心臓の負担を減らし、血液が滞りなく全身を循環するよう調整します。
また進行度によっては、心臓の負担を減らすために、ナトリウム(塩分)を制限した食事療法も行います。
予防法やご家庭での注意点
三尖弁閉鎖不全症の予防には、適切な体重管理や定期的な健康診断、心臓に負担をかけない生活習慣を心がけることが重要です。特に初期症状はわかりにくく、早期発見が難しいため、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
また三尖弁閉鎖不全症の原疾患の一つであるフィラリア症は、予防可能な疾患です。動物病院と相談し、予防薬の投与を欠かさないようにしましょう。
まとめ
三尖弁閉鎖不全症は、重症化すると命に関わる恐ろしい疾患です。初期の段階では症状がわかりにくいため、日頃から愛犬の様子をよく観察し、定期的に健康診断を受けることで、早期発見・早期治療に努めましょう。
またフィラリア症など、予防できる疾患は予防策を講じることをおすすめします。病気に関する正しい知識を持ち、愛犬の健康を守りましょう。
■循環器の疾患に関しての記事はこちら
・犬の気管虚脱|ガーガーという呼吸音が特徴
・犬の拡張型心筋症|重篤化すると命に関わる疾患
・犬の僧帽弁閉鎖不全症について|犬に多く見られる病気
・猫の肥大型心筋症について|早期発見が非常に難しい病気
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
ペットと飼い主様にとって最善の診療を行うことを心がけております。
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