倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
夏になってから犬や猫がご飯を残すようになったり、いつもより動かなくなったりすると、「暑さによる夏バテだろうか」と心配になる飼い主様も多いでしょう。
気温や湿度の影響で、一時的に食欲や活動量が落ちることはあります。しかし、夏の食欲不振には、熱中症や胃腸の病気、腎臓病などが隠れている可能性もあるため注意が必要です。
今回は、犬・猫の夏バテの特徴とともに、様子見ができるケースと早めに動物病院への相談を考えたいケースについても解説します。

■目次
1.犬・猫の夏バテとは|暑さで食欲や元気が落ちる状態
2.「夏バテかも」と様子を見る前に確認したいポイント
3.熱中症との見分け方|すぐ受診を考えたい危険サイン
4.夏バテに見えて、病気が隠れているケース
5.夏の食欲不振を調べる検査
6.まとめ
犬・猫の夏バテとは|暑さで食欲や元気が落ちる状態
夏バテとは、高温多湿の環境や生活リズムの変化などによって、食欲や元気が一時的に低下している状態を指す一般的な呼び方で、特定の病名ではありません。
犬や猫は暑さによる負担を受けると、体を動かす時間が減り、必要とするエネルギー量も少なくなることがあります。その結果、普段より食事量が減る場合があります。
また、室内と屋外の大きな温度差、暑さによる睡眠不足、水分摂取量の変化なども体調に影響します。涼しい場所で十分に休ませることで、少しずつ食欲や元気が戻るケースもあるでしょう。
ただし、体調の変化を表に出しにくい猫では、食欲不振が進んでから異変に気づくことがあります。
短頭種や被毛の厚い犬、シニア犬・シニア猫、心臓や呼吸器などに持病がある場合も、特に暑さの影響を受けやすいため注意してください。
「夏バテかも」と様子を見る前に確認したいポイント
夏場に犬や猫の食欲が落ちたときは、食欲だけではなく、飲水量や呼吸、排泄なども含めて全身の様子を確認することが大切です。
<食欲の低下>
まずは「まったく食べていないのか、普段より量が少ないだけなのか」を確認しましょう。
おやつや好みの食事であれば反応する場合と、食事を一切受け付けないような場合とでは、体調不良の程度が異なる可能性があります。
水を飲めているか、飲んでも吐いてしまわないかも一つの判断材料です。
<消化器症状の有無>
嘔吐や下痢、よだれ、腹部の張りなどを伴う食欲不振は、単なる夏バテとは限りません。
胃腸炎や誤食、膵炎など、消化器の病気が関係している場合があります。
何度も吐いたり、水を飲んでも吐いたりする場合は、脱水が進むおそれもあるため、早めに動物病院へ相談してください。
<元気や呼吸の変化>
呼びかけに反応し、水が飲めており、涼しい場所で休むことで元気が戻るようであれば、一時的に様子を見ていただくことも可能です。
一方で、このような様子がある場合は注意が必要です。
・横になったまま動かない
・立ち上がれない
・呼吸が荒い
・落ち着かず何度も場所を移動する
電話でも構いませんので、動物病院へ一度連絡できると安心です。
<環境の確認>
室温だけでなく、湿度や日当たりも確認してみてください。エアコンを使用していても、直射日光が当たる場所や風が届きにくい場所では、想像以上に暑くなることがあります。
留守番中の空調設定、飲み水の量、散歩の時間帯などを振り返り、暑さから逃れられる環境が確保されているかを見直してください。
熱中症との見分け方|すぐ受診を考えたい危険サイン
軽い夏バテでは、食欲や活動量が少し落ちても、涼しい環境で休むことで徐々に普段の様子へ戻ることがあります。
ただし夏バテのように見えても、実際には熱中症の初期段階であることが考えられます。
そして、夏バテによって食事や水分の摂取量が減ると、脱水が進み、熱中症のリスクが高まることもあります。
犬や猫の熱中症は体温が過度に上昇し、呼吸や意識だけでなく、全身の臓器にまで影響が及ぶ可能性のある危険な状態です。進行すると命に関わる恐れもあるため、「食欲がないだけ」と軽視して様子見を続けることは避けましょう。
<犬の熱中症で見られる危険なサイン>
犬では、次のような変化が危険なサインです。
✓ 激しくパンティングしている
✓ よだれが多い
✓ ふらついてうまく歩けない
✓ 嘔吐や下痢がある
✓ ぐったりして反応が弱い
✓ 舌や歯ぐきが鮮やかな赤色、紫色、白色など、いつもと異なる色をしている
<猫で見逃したくない体調不良のサイン>
猫では、暑さによる体調不良や熱中症のほか、呼吸器や心臓の異常でも、次のような変化が見られることがあります。
✓ 物陰に隠れたまま出てこない
✓ 触られるのを強く嫌がる
✓ 食事や水に反応しない
✓ 口を開けて呼吸している(開口呼吸)
✓ 呼吸が速い、または苦しそうにしている
✓ ぐったりして反応が弱い
猫は犬のように頻繁にパンティングをしないため、開口呼吸は特に緊急性の高いサインです。
複数の異変が重なっているときや、涼しい環境へ移動してもすぐに呼吸や反応が改善しないときは、動物病院へ連絡したうえで速やかに受診しましょう。
倉敷動物愛護病院では、日曜・祝日も午前診療を行い、救急診療にも対応しています。夏場の急な体調不良で受診を迷った際も、まずはお電話でご相談ください。
夏バテに見えて、病気が隠れているケース
夏に食欲が落ちたからといって、すべてが暑さによるものとは限りません。暑さで体に負担がかかったことをきっかけに、それまで目立たなかった病気の症状が表れる場合もあります。
例えば、年齢を問わず誤食や感染症、胃腸炎、寄生虫、環境の変化によるストレスなどが原因で食欲不振になることがあります。
特に猫は、食べない状態が数日続くと、蓄えられた脂肪が肝臓へ過剰に集まる「肝リピドーシス」を発症することがあります。食事をほとんど取れていない場合は、元気が残っていても早めにご相談ください。
また、高齢の犬・猫では、慢性腎臓病や心臓病、内分泌疾患、腫瘍などによって食欲や元気が低下することがあります。
「毎年夏になると食欲が落ちるから」と考えず、体重の減少や飲水量、排尿回数などにも変化がないか確認しましょう。
夏の食欲不振を調べる検査
夏の食欲不振や元気の低下には、熱中症だけでなく、胃腸疾患や内臓疾患などが隠れていることがあります。
そのため、ひとつの症状だけで判断せず、問診や身体検査、必要な検査を組み合わせて原因を確認していきます。
◆ 問診
食欲が落ちた時期や食べられている量、嘔吐・下痢の有無、普段の生活環境などを確認します。
◆ 身体検査・体温測定
体温や脱水の程度、呼吸や心拍の状態、歯ぐきの色、腹部の痛みなどを調べます。
◆ 血液検査
脱水や炎症の有無、腎臓・肝臓をはじめとする内臓への影響が出ていないかを確認します。
◆ 尿検査
尿の濃さや成分を調べ、脱水の程度や腎臓・尿路の異常がないかを確認します。
◆ 画像検査(レントゲン・超音波)
胸部や腹部の状態を確認し、胃腸疾患や臓器の異常などが隠れていないかを調べます。
倉敷動物愛護病院では、症状が出ているときの診療に加え、健康診断による病気の早期発見・早期治療も大切にしています。
夏の不調をきっかけに全身の状態を確認することが、これまで気づかなかった変化を見つける手がかりになる場合もあります。
まとめ
夏の食欲不振は、暑さによる一時的な夏バテである場合もあれば、熱中症や内臓疾患のサインとして表れている場合もあります。
食事量が少ないだけなのか、まったく食べられないのかを確認し、水分摂取量や呼吸、元気、嘔吐・下痢などの変化もあわせて観察してください。
「夏バテかもしれない」と判断に迷う段階でも、遠慮せず動物病院へ相談しましょう。早めに状態を確認することが、安心にもつながります。
倉敷動物愛護病院は、犬・猫を対象とする動物病院として40年以上にわたり倉敷市に根ざした診療を続けてきました。何気ない「ご飯を食べない」「元気がない」などの変化が見られた際はお気軽に当院までご相談ください。
■関連する記事はこちらです
・犬や猫の健康管理の基本ポイントについて|食事量・水分摂取・トイレの目安とは?
・犬・猫のよだれが多いのは異常?正常の目安や受診の見極めポイント – 倉敷動物愛護病院
・犬と猫の膵炎|ごはんを残す・元気がない…見逃しやすい小さなサインに要注意
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
TEL:086-465-3778
⭐初めての方もご予約可能!!当院の診療予約は下記をクリック!⭐
倉敷動物愛護病院について知りたい方は下記をクリック!




















