「愛犬の目が白くなってきたけれど、白内障?」
「年齢のせいなら、そのまま様子を見ても大丈夫?」
「目が白いだけで、見え方は変わっていないように感じる」
愛犬の目が白っぽく見えると、白内障を心配する飼い主様は多いのではないでしょうか。
しかし、犬の目が白く見える原因が、すべて白内障とは限りません。シニア期の犬では、加齢に伴う「核硬化症(かくこうかしょう)」によって目が白っぽく見える場合があります。
核硬化症は基本的に治療を必要とせず、視力への影響も限定的です。一方、白内障は水晶体が濁る病気で、進行すると視覚に影響し、失明に至る可能性もあります。
ただし、飼い主様が見た目だけで両者を正確に見分けるのは困難です。
今回は、犬の目が白く見えるときに知っておきたい白内障と核硬化症の違い、自宅で気づきやすい変化、動物病院を受診するタイミングについて解説します。

■目次
1.犬の目が白く見えるのはなぜ?|水晶体の変化に注目
2.核硬化症とは|犬の老化に伴って目が白く見える変化
3.白内障とは|進行すると見えにくくなる可能性がある
4.白内障と核硬化症はどう違う?|見た目だけでの判断は困難
5.犬の目が白いときはいつ受診する?
6.白内障と核硬化症はどう診断する?|動物病院で行う検査
7.犬の白内障はどう治療する?|核硬化症では基本的に治療不要
8.まとめ
犬の目が白く見えるのはなぜ?|水晶体の変化に注目
犬の目を正面から見たとき、瞳の奥が白色や青白い色に見える場合があります。その原因のひとつが、目の中にある「水晶体」の変化です。
水晶体はカメラのレンズのような役割を担い、目に入ってきた光を屈折させて網膜に届けています。本来は透明ですが、白内障になると水晶体に濁りが生じます。
一方、核硬化症では加齢とともに水晶体の中心部分が圧縮され、硬くなるため、光の当たり方によって青白く見えるようになります。
つまり、見た目にはどちらも「目が白くなった」と感じる可能性がありますが、白内障と核硬化症では水晶体に起きている変化や視覚への影響が異なります。
核硬化症とは|犬の老化に伴って目が白く見える変化
核硬化症は、犬が年齢を重ねるにつれて生じる水晶体の変化です。病気というよりも、加齢に伴う生理的な変化として考えられています。
犬の水晶体は、年齢とともに内部の組織が中心へ押し込まれて密度が高くなります。そのため、前述したように目の奥が青白く、あるいは灰色がかって見えるようになります。
核硬化症だけであれば、視力への影響は限定的で、基本的に治療は必要ありません。
そのため、目が白く見えるからといって、必ずしも治療が必要な白内障とは限りません。
ただし、核硬化症がみられる年齢の犬でも白内障を発症する可能性があります。「年齢のせいだろう」と決めつけず、目が白くなってきたと感じたら、一度動物病院で確認してもらいましょう。
白内障とは|進行すると見えにくくなる可能性がある
白内障は、本来透明な水晶体の一部または全体が白く濁る病気です。
濁りがわずかな段階では、飼い主様から見ても変化に気づきにくく、犬自身も普段どおり生活している場合があります。
しかし、濁りが広がるにつれて光が網膜まで届きにくくなり、視覚に影響が表れるようになります。
例えば、次のような変化がみられる場合があります。
・家具や壁などにぶつかるようになった
・段差を怖がる、踏み外すようになった
・暗い場所で動きたがらない
・おもちゃや食事を見つけにくそうにする
・慣れない場所で動きにくそうにする
白内障は加齢だけでなく、遺伝的な要因や糖尿病などに関連して発症する場合もあります。そのため、若い犬だからといって白内障にならないとは限りません。
さらに、白内障が進行すると視覚を失うだけではなく、目の中に炎症が生じるなどの合併症につながる場合があります。
「白内障でも、まだ見えているから大丈夫」と自己判断して長期間様子を見るのは避けましょう。
白内障と核硬化症はどう違う?|見た目だけでの判断は困難
白内障と核硬化症には、見た目に一定の傾向があります。
核硬化症では、瞳の奥が青白い、あるいは灰色がかった半透明のように見える場合があります。一方、白内障では、水晶体の一部または全体が白く濁って見えることがあります。
しかし、この違いだけで飼い主様が判断するのは困難です。
白内障にも進行段階があり、初期には水晶体の一部分だけが濁っている場合があります。さらに、核硬化症と白内障が同時にみられる犬もいるため「透明感があるから核硬化症」「真っ白だから白内障」と見た目だけで決めることはできません。
飼い主様がご家庭で病名を見分けるよりも、「目が以前より白くなった」という変化に気づき、早めに獣医師に相談することが大切です。
犬の目が白いときはいつ受診する?
愛犬の目が以前より白く見えるようになった場合は、痛がっていなくても一度受診をご検討ください。
特に、次のような変化がある場合は、早めに目の状態を確認してもらいましょう。
・白さや濁りが以前より目立ってきた
・片方の目だけ白く見える
・物や壁にぶつかるようになった
・段差や階段をためらうようになった
・暗い場所で動きにくそうにする
一方、目を痛そうにする、急に見えにくそうになる、目の様子が急激に変化するといった場合は、速やかな受診が必要です。
白内障なのか核硬化症なのかによって、その後の対応は大きく異なります。特に白内障では、進行の程度や合併症の有無によって必要な対応が変わるため、早い段階で目の状態を把握しておくことが重要です。
白内障と核硬化症はどう診断する?|動物病院で行う検査
まず、目の見た目や視覚に異常がないかを確認します。そのうえで、必要に応じてスリットランプと呼ばれる検査機器などを使い、水晶体の濁り方や位置を詳しく観察します。
さらに、白内障が疑われる場合には、目の中に炎症が起きていないかなども確認します。
糖尿病などの病気が白内障に関係している可能性がある場合は、血液検査などを行うケースもあります。
犬の白内障はどう治療する?|核硬化症では基本的に治療不要
核硬化症は加齢に伴う生理的な変化であり、視力への影響も限定的なため、基本的に治療は必要ありません。ただし、白内障を併発していないか確認するため、定期的に目の状態を診てもらうとよいでしょう。
一方、白内障では、進行の程度や目の状態によって対応が異なります。
白内障によって目の中に炎症が起きている場合などには、点眼薬を使用して炎症を抑える治療が行われる場合があります。ただし、点眼薬によって一度濁った水晶体を透明な状態に戻すことはできません。
視覚の回復を目的とした治療では、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入する手術が検討される場合があります。ただし、すべての犬が手術の対象になるわけではありません。白内障の進行度や目の状態、全身状態などを確認したうえで、治療方針を検討します。
まとめ
犬の目が白く見えると「白内障になった」と考えてしまうかもしれません。しかし、シニア期の犬では、加齢に伴う核硬化症によって青白く見えている場合もあります。
核硬化症は基本的に治療を必要とせず、視力への影響も限定的です。一方、白内障は水晶体そのものが濁る病気で、進行すると視覚に影響し、失明に至る可能性があります。
そして何より重要なのは、白内障と核硬化症を見た目だけで正確に見分けるのは難しいという点です。
「シニアだから老化だろう」「白くなったから白内障だろう」と自己判断せず、目の白さに気づいた段階で一度診察を受けることが、適切な対応につながります。
当院では、愛犬の目が白くなってきた、以前より見えにくそうにしているなど、目に関する変化についてもご相談いただけます。倉敷市周辺で愛犬の目の白さが気になる飼い主様は、お気軽にご相談ください。
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
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