倉敷市、岡山市、総社市、浅口市、玉野市、早島町の皆さんこんにちは。
岡山県倉敷市の倉敷動物愛護病院の院長垣野です。
犬がしきりに体をかいたり、同じ場所をなめたりしていませんか?
皮膚の赤みやベタつき、いつもと違うニオイが気になる場合は、皮膚で細菌やマラセチアが増えている可能性があります。
特に梅雨から夏にかけては、気温と湿度が高くなり、被毛の内側が蒸れやすい季節です。皮膚の状態が崩れると、膿皮症やマラセチア皮膚炎が起こったり、もともとの症状が悪化したりすることがあります。
この記事では、犬に見られる細菌性の膿皮症と、マラセチアが関係する皮膚炎について、症状や検査、治療、日常のケアをわかりやすく解説します。

■目次
1.犬の膿皮症・マラセチア皮膚炎とは|細菌性・マラセチア性に絞って解説
2.梅雨〜夏に悪化しやすい理由|高温多湿・蒸れ・皮脂が関係
3.飼い主様が気づきやすい症状|かゆみ・赤み・ベタつき・ニオイ
4.動物病院で行う皮膚検査
5.治療と再発防止を助けるケア
6.まとめ
犬の膿皮症・マラセチア皮膚炎とは|細菌性・マラセチア性に絞って解説
犬の皮膚には、健康な状態でもさまざまな細菌や真菌が存在しています。
通常は皮膚のバリア機能によって一定のバランスが保たれていますが、蒸れや皮脂の増加、皮膚への刺激、基礎疾患などが重なると、常在する微生物が増えて炎症を起こすことがあります。
<犬の膿皮症とは>
犬の膿皮症(のうひしょう)とは、主に皮膚の常在菌が過剰に増えることで起こる細菌性皮膚炎です。
赤いブツブツや膿を含んだ発疹、かさぶた、円形に広がる脱毛などが見られます。
炎症が皮膚の表面にとどまる場合もあれば、毛穴の奥や皮膚の深い部分まで及ぶ場合もあります。深い膿皮症では、腫れや痛み、出血、膿を伴うこともあり、より慎重な治療が必要です。
<犬のマラセチア皮膚炎とは>
マラセチア皮膚炎とは、犬の皮膚に普段から存在する酵母(真菌)の一種「マラセチア」が、アレルギーや皮膚のバリア機能低下などをきっかけに過剰に増殖し、かゆみや赤み、ベタつき、独特のニオイなどの皮膚炎を引き起こす病気です。
これらの症状が見られやすい部位は、耳、足先、指の間、脇、内股、首まわり、皮膚のしわなど、湿気や皮脂がたまりやすい場所です。
アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎は、体質や免疫反応が関係する病気です。一方、膿皮症とマラセチア皮膚炎は、皮膚で細菌やマラセチアが増えることで炎症が起こります。
ただし、このような皮膚疾患は単独で発症する場合もありますが、互いに影響し併発する場合もあります。アレルギーやアトピーによって皮膚のバリア機能が低下し、その結果として細菌やマラセチアが増え、二次的な皮膚炎を起こすケースもあるのです。
▶️皮膚炎についてはこちらで解説しています
▶️アトピー性皮膚炎についてはこちらで解説しています
梅雨〜夏に悪化しやすい理由|高温多湿・蒸れ・皮脂が関係
梅雨から夏は、気温だけでなく湿度も高くなります。全身が被毛で覆われている犬は、皮膚表面の湿気が逃げにくく、細菌やマラセチアが増えやすくなります。
特に、皮膚のしわや耳の中、脇、内股、足先などは空気が通りにくく、汗に近い分泌物や皮脂もたまりやすいため、ベタつきやニオイにつながりやすくなります。
また、シャンプーや水遊びのあとに被毛の根元まで乾いていないと、皮膚が長時間湿った状態になります。タオルで表面の水分を取るだけで終わらせず、熱すぎない風を使い、皮膚まで乾かすようにしましょう。
犬種を問わず起こりますが、特に次のような特徴をもつ犬では発症しやすい傾向があります。
・皮膚のしわが多い犬
・垂れ耳の犬
・皮脂が多い犬
・アレルギー体質の犬
・シニア犬 など
また、毎年同じ季節に皮膚症状を繰り返す場合も「体質だろう」と考えず、原因やケアを確認するようにしましょう。
飼い主様が気づきやすい症状|かゆみ・赤み・ベタつき・ニオイ
膿皮症とマラセチア皮膚炎では表れやすい症状に違いがありますが、どちらもかゆみを伴う場合が多く、日頃の様子をよく観察することが早期発見につながります。
<膿皮症で見られやすい症状>
✓ 赤いブツブツや膿を含む発疹
✓ かさぶたやフケ
✓ 円形に広がる脱毛
✓ 皮膚のジュクジュク
✓ 同じ場所を繰り返しなめる、かく、噛む
<マラセチア皮膚炎で見られやすい症状>
✓ 皮膚や被毛のベタつき
✓ 脂っぽいフケ
✓ 普段とは異なる独特のニオイ
✓ 耳や足先をしきりにかゆがる
✓ 慢性化に伴い、皮膚が黒っぽく厚くなる
ただし、実際には細菌とマラセチアが同時に増えていることも少なくありません。症状の見た目だけで、どちらの皮膚炎かを判断するのは困難です。
気になる症状が見られた場合は自己判断せず、動物病院で適切な検査や治療を受けるようにしてください。
<早めに受診を検討したい変化>
さらに、以下の場合は早めに動物病院へご相談ください。
・夜もかゆがって眠れない様子がある
・ニオイが急に強くなった
・皮膚が赤くジュクジュクしている
・脱毛やかさぶたが広がっている
・同じ症状を繰り返す
市販のシャンプーで洗い続けたり、以前処方された薬を自己判断で使ったりすると、かえって皮膚への刺激が増える恐れがあります。
動物病院で行う皮膚検査
動物病院では、赤み、脱毛、かさぶた、ベタつき、ニオイのほか、炎症がどこまで広がっているかを確認します。かゆみが始まった時期や季節との関係、シャンプーの頻度、過去の治療歴なども、原因を考えるうえで大切な情報ですので、ぜひお伝えください。
◆ 皮膚検査
皮膚の表面をテープで採取する検査や、スライドガラスを患部に押し当てるスタンプ検査などを行い、顕微鏡で細菌やマラセチアの数、炎症細胞の有無を確認します。
症状に応じて、毛包虫や疥癬などの寄生虫、皮膚糸状菌症といった別の病気がないかを調べることもあります。
◆ 追加で行う検査
膿皮症が深い場合や治療をしても改善しにくい場合には、細菌培養検査や薬剤感受性検査を検討します。
治療と再発防止を助けるケア
症状が限られた範囲にあるのか、全身に広がっているのかによっても、治療方法は変わります。かゆみや炎症が強い場合は、それらを抑える治療を組み合わせることもあります。
代表的な治療の選択肢には、以下のようなものがあります。
・抗菌薬
・抗真菌薬
・外用薬
・薬用シャンプー
・保湿剤 など
また、見た目がきれいになっても、自己判断で治療を中断すると再び増殖する恐れがあるため、獣医師から指示された期間や方法を守るようにしましょう。
<再発を防ぐ助けとなるスキンケア>
膿皮症やマラセチア皮膚炎は再発しやすい病気ですが、毎日のスキンケアを適切に行うことで、皮膚環境を整え、再発予防の一助となることが期待できます。
日々のシャンプーの方法を工夫すると、皮膚を健やかに保つことにつながります。次のポイントを参考にしてください。
・皮膚の状態に合ったシャンプーを選ぶ
・シャンプーは十分に泡立てて洗う
・すすぎ残しがないように流す
・乾かす際は、脇や内股、足先、皮膚のしわまで確認する
ただし、洗いすぎは皮膚の乾燥や刺激につながる恐れがあるため、シャンプーの頻度や保湿ケアについては、愛犬の皮膚の状態に合わせて獣医師に相談しましょう。
倉敷動物愛護病院には複数の獣医師が在籍し、予防医療から長引く皮膚疾患まで幅広く対応しています。皮膚表面の症状だけでなく、体質や基礎疾患も確認し、治療と日常のスキンケアを一緒に検討します。
まとめ
犬の膿皮症やマラセチア皮膚炎は、皮膚に常在する細菌やマラセチアが増え、かゆみや赤み、ベタつき、ニオイなどを引き起こす病気です。
特に高温多湿となる梅雨から夏は皮膚が蒸れやすく、症状が表れたり、悪化したりする恐れがあります。
かゆみや不快感は、愛犬にとってもストレスになります。気になる症状が見られたら、早めに動物病院を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
症状が続いている時はもちろん「発疹が気になる」「どんなスキンケアがうちの子に合っているか気になる」という場合も、当院へご相談ください。
一頭一頭の皮膚の状態に合わせた治療に加え、シャンプーや保湿、乾かし方など、ご家庭で続けるケアも一緒に見直していきます。
岡山県倉敷市にある「倉敷動物愛護病院」
TEL:086-465-3778
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